産業リサーチ(精密機器) いずれも横綱ぞろいで、再編続出はなさそう

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年初早々発表されたコニカとミノルタの経営統合は、両者が自ら仕掛けたものとしては、精密業界初。1兆円企業となった「コニカミノルタ」が狙うのは「精密三強の追撃」(岩居文雄コニカ社長)である。
 「三強」とは、キヤノン、富士写真フイルム、リコーのこと。富士写が富士ゼロックスを子会社化したことで、事務機器を中心としての三つ巴の競争、という構図が明確になった。コニカとミノルタの統合会社でも、主力事業と位置づけるのがこの事務機器事業だ。中心となるのはコピー機やプリンタ。2003年6月に上場するセイコーエプソンも、収益柱はプリンタだ。
 景気低迷が続くなか、高速化やカラー化など、性能アップは続くとはいえ、どのオフィスにも行き渡った事務機器を主力とする精密各社が、なぜ軒並み最高益を更新するような好業績を謳歌できるのか。そのカギは「シェイバーモデル」と、ひげ剃りの替え刃の商法になぞらえられる、この業界独特のビジネスモデルにある。事務機本体は原価ギリギリで売り込む一方、コピーを一枚取るごとに課金されるカウンターチャージや高価なプリンタの消耗品でガッチリ稼げるというカラクリだ。だから極端な話、新製品が売れなくても、稼働台数が変わらない限り、収益は安泰というわけだ。
 この安定感のある事務機ビジネスの一方、業界きっての成長株といえば、デジタルカメラだ。業界統計によれば、2002年のデジカメ出荷は前年比七割増の2455万台。ついに世界規模でもフィルムカメラの出荷数を超えた。2003年は3500万台と予想するなど、業界の鼻息は荒い。デジカメは過去数年、急速な単価下落に苦しむ豊作貧乏状態だったが、規模拡大に伴い数量効果が出て、各社は軒並み採算改善。草創期には家電メーカーが中心、精密各社は出遅れた。だが高性能・小型化が進む今では、絵作りに一日の長がある精密各社の台頭が著しい。
 また「三強」に比べ売り上げ規模は小さいが、内視鏡でシェア7割を握るオリンパス、半導体製造用部材、光学レンズで稼ぐHOYAなど、キラリと光る高収益企業が多いのも精密業界の特徴だ。

(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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