ハンドル操作をしたときの確かな手ごたえや、余計な振動を伝えない乗り心地、静かな室内、後席の座り心地のよさ、荷室の使いやすさなど、総合的な実用性や質においても、失望させるものはなかった。
ヴァリアントは、単に荷室を大きくしただけでなくホイールベースから変更され、後席の居住性がゴルフ7に比べ大きく改善されている。
先進技術では、運転支援機能を使う際にひとつのスイッチで作動を可能としたドライブアシストは操作しやすく、前車に追従しながら車間距離を確保するアダプティブクルーズコントロール(ACC)は、アウトバーンを想定して時速210km/hまで適応し、国内の高速道路を時速100km/hで利用するうえでは盤石の安定性と、安心感があって、ゴルフに対する信頼を裏付ける機能であることを体感させた。
シフト操作のスイッチが唯一気になる部分
唯一、気掛かりだったのは、シフトスイッチがイグニッションのスイッチとともに1列の配置となり、スイッチの見わけがつきにくかったり、操作に戸惑ったりすることだ。バイ・ワイヤーと呼ばれ、人間が操作するところはスイッチ化し、その指令を配線によって電気的に行う技術は、アクセルやブレーキ操作などで実用化されて久しい。今回のシフト操作のスイッチ化は、実用性を重視するゴルフらしからぬ配置の仕方だ。同じ技術を使ったとしても、より操作しやすい配列や見栄えを採り入れることはできたはずだ。
それ以外、新型ゴルフ8はハッチバックもヴァリアントも、まさしくゴルフ以外の何物でもないという、世界の小型車の規範としての価値を外すことなく、ただただ唸らせるのであった。
こうした価値がEVの新しい「ID.3」へも受け継がれているのではないかと思うと、日本への導入が待ち遠しい。
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