なぜ、セダン市場はいつも「ベンツ一強」なのか? 6モデル購入者分析で見えた各社のブランド像
2020年はコロナ禍の影響で数字を落としたが、メルセデス・ベンツは輸入車のブランド別販売台数において6年連続で首位を取り続けている。より低価格のブランドであるフォルクスワーゲンを超えての6連覇だ。
カフェレストランの併設やアウトレットモールへの出店などにより、高級感を失わないようにしつつもハードルを下げる、新規ユーザー獲得のためのマーケティングが成功した印象である。
今回はミドルセダン(4ドア)購入者から、メルセデス・ベンツのユーザー像を分析してみたい。
対象車種は約500万~700万円という価格帯を意識して次の6車種とした。
■メルセデス・ベンツ CLAクラス:472万円~
■メルセデス・ベンツ Cクラス:489万円~
■BMW 3シリーズ:495万円~
■アウディ A4:455万円~
■レクサス ES:599万円~
■レクサス IS:480万円~
※いずれも分析対象は新車購入者のみ。また、各車種ともセダンもしくは4ドアクーペのみで、2ドアやワゴンは含まない。
使用データは、市場調査会社のインテージが毎月約70万人から回答を集める、自動車に関する調査「Car-kit®」。また、弊社が独自開発中の調査データも活用し、別の観点からも分析を進める。
今回の対象データ数は、CLAクラスが123名、Cクラスが285名、3シリーズが307名、A4が62名、ESが136名、ISが247名である。
メインユーザーは50代以上
まずは、どのような人が購入しているかを理解するために、購入者の性別・年代構成を確認しよう。比較的高額なセダンのため、購入者の年齢層は高い。
50代以上が多く、CLAクラス、Cクラス、ISでは7割以上が50代以上だ。男女比では、CLAクラスのみ女性が約4割と高いが、それ以外の5車種の女性比率は3割以下。このあたりはイメージ通りの結果であろう。
次に、「車種決定の理由」を見てみよう。3シリーズ、ES、ISでは「車そのもの」が特に高くなっている。
CLAクラスは「メーカー・ディーラーへの信頼性」が高く、メルセデス・ベンツの「車そのもの」のスコアがあまり高くないのは、少々意外かもしれない。メルセデス・ベンツというブランドや、ディーラー対応のよさが決め手になっているのだろう。
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