なぜ、セダン市場はいつも「ベンツ一強」なのか? 6モデル購入者分析で見えた各社のブランド像
「購入時の重視項目」を見てみると、各車の特徴がより表れてくる。メルセデス・ベンツの2車は「安全性」が高く、BMW3シリーズは「走り」に関するスコアの高さが際立つ。
レクサスES、ISでは「内装」や「品質の高さ」が強く求められている。特に、ややサイズが大きくなるESでは、「室内全体での広さ」のスコアも高い。
続いて、購入した車の「メーカーへのイメージ」も確認してみよう。メルセデス・ベンツのオーナーからは、「伝統」「本物」「信頼」「安定」のスコアが高く出ている。
BMWでは「遊び心」「若々しい」、アウディでは「都会的」が高く評価されている。「技術力」に関してはメルセデス・ベンツ、BMWの2社のスコアが高い。
レクサスについては、特徴的なイメージが形成されていない結果となった。ESでは約3割、ISは約2割がトヨタ車からの乗り換えであるが、あまり大きなイメージの変化を伴わないゆえに乗り換えやすいのかもしれない。
ユーザーが最後まで悩み検討した車種、「最終比較検討車」のランキングも見ておこう。このデータでは、Cクラスの多さが特徴的だ。
その他、今回取り上げた各車が相互によく比較されていることが読み取れる。レクサスはトヨタからの乗り換えが多いこともあり、クラウンを最後まで悩んでいる人が多い。
ジャーマン3は1/3が「3連続リピーター」
次に、インテージが独自開発中の調査データから、さらなる分析を進める。ここからは個別車種ではなく、各社のセダンユーザー全体を見ていく。
先日の「ノア、セレナ…ミニバン4モデルの購入者を分析」の記事同様、どのような人々が購入しているか(顧客構成)のデータを分析し、購入者を次の5つに分類した。
②2連続リピーター:1つ前の車と同じメーカーから購入した人
③3連続リピーター:1つ前だけでなく2つ前の車も同じメーカーの人
④スイッチ:1つ前の車と違うメーカーから購入した人
⑤出戻り:以前購入したメーカーに戻ってきた人
結果は、レクサスのみ「3連続リピーター」の割合が低く、その分「2連続リピーター」が多くなっている。メルセデス・ベンツ、BMW、アウディの間に大きな差はない。
レクサスが日本で営業を開始したのは2005年であり、乗り換え期間が5~10年程度だと考えれば、まだ国内での歴史は浅い。そのため3連続でリピートするだけの時間がまだたっておらず、「2連続リピーター」が多いと考えられる。
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