テーパリング議論で注目「米雇用統計」のジンクス

80万人増が雇用の「顕著な進展」のラインだが…

ジャクソンホール会議で講演したジェローム・パウエルFRB議長(写真:Bloomberg Finance LP)

アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)による量的緩和の縮小(テーパリング)を巡って、今年12月に開始するとの見方が一段と強まってきた。

後押ししているのは、言うまでもなくジェローム・パウエルFRB議長だ。8月27日、世界の中央銀行総裁らによる金融・経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」でのパウエル氏の講演は、緩和縮小に慎重なハト派のスタンスが、色濃くにじむ内容だった。

緩和縮小については9月に機関決定との観測があった中で、パウエル氏は年内に緩和縮小を開始するのが適切と「考えていた(I was of the view)」とあえて過去形で語り、続けて新型コロナウイルスのデルタ株感染拡大を下振れリスクとして挙げながら「今後のデータとリスクを注意深く見極める」と発言したのだ。

そのため、直後の金融市場では9月決定といった早期の緩和縮小への警戒感が薄れるかたちになり、株が買われ、為替相場はドル安で反応したわけだ。

注目される8月の雇用統計

そうした状況で、従来以上に大きな注目を集めているのが、アメリカの労働省が9月3日に公表する8月分の雇用統計だ。

注目度が高まっているのは、雇用統計が金融政策を左右する最重要データであり、市場の変動に大きな影響を及す経済指標だからというだけではない。雇用統計の結果が良ければ「秋口のテーパリング開始は可能だ」といった発言を、FRBで金融引き締めに積極的なタカ派の一部理事や連邦銀行の総裁たちが講演などで繰り返しており、早期の緩和縮小論が依然くすぶり続けているからだ。

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