「ホワイト企業」、お得度高い中堅トップ20 データを読み込んで、インターンシップに行こう

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さらに「有給休暇取得率」も多くの就活生が気にする指標だ。日本企業の取得率は50%程度が平均的。取得率80%以上はむしろ例外的と思ったほうがよい。ただ、有休以外の夏季特別休暇などの有無でも、有休の取得状況は大きく変わる。この数字だけで短絡的に判断することは禁物だ。

数値で線引きせず、「前向きなホワイト企業」発掘を

流通や不動産業といった業種では一般的に取得率は低いが、低い数値でもあえて情報を開示するのは、改善しようという努力の現れでもある。こういう「前向き企業」は実際、意欲だけでなく実態も少しずつ変わりつつある。ピークを外した長期休暇の取得推進などで、着実に実績を改善している企業もある。業種として魅力を感じている場合は、こうした前向きなホワイト企業を見つけてほしい。

「女性管理職比率」は、5%前後ですら日本では女性登用を進めている企業に入る。ただし、その実態を計るには「女性部長比率」も合わせて見たほうがよい。管理職は一定数存在するが、部長比率はゼロに近いといった場合は部下なし管理職がほとんどといったケースもあるからだ。

そして、『CSR企業総覧』以外ではおそらく見ることができないのが、年代別の従業員数だ。一般的には、40歳以上が多すぎると、ポスト不足や活力低下などが起こり問題だとされる。ただ、それでも現在業績のよい企業は、高齢化に比較的うまく対応しているとも考えられる。こうした職場は若手にとってはチャンスでもある。少数派の若い世代を大切に育て、教育制度も拡充させる企業は多い。

若手が経験豊富な中高年社員と一緒に組むケースが増え、経験も積みやすい。10年、20年でしっかり実力をつけて、会社に残る、他社に移るなどを決めてもいいだろう。若手が使い倒されることのないホワイト企業であるという条件付きだが、40歳以上が多い好業績企業は狙い目ともいえるのだ。

さて、「ホワイト企業」という言葉も徐々に広く聞かれるようになってきたが、どこをとっても申し分ない会社はまず存在しない。どこに行っても何らかの不満はあるものだ。そこで効いてくるのが、先に触れた「自分がどの点を特に重視して会社選びをしたいのか」である。多くの情報を見て、最低限そこだけはこだわってほしい。

『CSR企業総覧』には他にもさまざまな情報を掲載しているのでこうした用途にピッタリだ。掲載データをひととおり見るだけで、企業の基本情報は理解できるはずだ。就職活動に特化した『就職四季報』シリーズはさらに参考になるだろう。

今回説明したような基本的なインプットをしてから、インターンシップ、会社説明会、OB・OG訪問に臨めば、何もしないで臨む場合よりも数倍、数十倍得るものが大きいことは間違いない。まず、実践してみることが実り多い就活への第一歩となるはずだ。

 

働きやすくて、信頼される会社はここだ!
「本当のホワイト企業の見つけ方」
新卒定着率や育児休業取得率などの「働きやすさ」に加え、CSR(企業の社会的責任)や財務状況も考慮した「本当のホワイト企業」を見きわめる指標やランキングを徹底解説している。 

 

岸本 吉浩 東洋経済 記者

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きしもと よしひろ / Yoshihiro Kishimoto

1996年東洋経済新報社入社。以来各種企業調査にかかわる。『CSR企業総覧』編集長として、CSR調査、各種企業評価を長年担当。著書に『指標とランキングでわかる! 本当のホワイト企業の見つけ方』など。2023年4月から編集局記者、編集委員、『本当に強い大学』2023年版編集長。

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