3つ目の理由は今後、K-POPのような世界的なムーブメントを作り出すことができるかどうかを左右するファンづくりに関係しています。誕生までの軌跡をあえてバラエティー要素ゼロにしたのが吉と出て、シンプルな番組であったがゆえに視聴者もこのオーディションの目撃者のひとりであるかのように思わせ、つまり当事者意識を生ませているからだと思うのです。実際に「THE FIRST」を応援する視聴者自ら「ザスト民」と呼び、オーディション段階からファン意識を根付かせていました。
デビューメンバー発表当日の8月13日にはJUNON、RYOKI、LEO、SOTA、MANATO、SHUNTO、RYUHEIの7名で構成されるBE:FIRSTのファンネームも発表されたところ。グループ名の最初と最後の2文字をつなぎ合わせ、「親友」を意味するスラング「BESTY(ベスティ)」と呼びます。
K-POPでもなければ既存のアイドルソングでもない
こうしたファンづくりの基本はK-POPの流れを汲みつつも、発信したいものはこれまで日本から生み出されていなかった音楽グループであることは番組を通じて伝えられてもいました。その思いが詰まったプレデビューシングル『Shining One』は日本の音楽シーンを牽引してきたm-floの☆Taku Takahashiがプロデュースを手掛けるもの。K-POPでもなければ、日本の既存のアイドルソングでもないことは聞けば説明いらずです。何かをパクるようなものではないことが“推し”の増幅に寄与していそうです。
そもそもSKY-HIが設立したばかりの事業のなかで圧倒的な資金力も人材リソースもなく、このオーディションのために自腹で1億円出資したことが唯一と言っていいほどの宣伝文句から始まっています。
デビューメンバー発表記者会見でSKY-HIは「THE FIRST」の取り組みそのものが「日本のエンターテインメント界において必要なものだった」と断言していました。不利な条件も多いなかで、「THE FIRST」のテーマソングの歌詞のごとく「怖くても進め」といった潔さも支持したくなる理由にあるでしょう。
Huluでは引き続きBE:FIRSTに密着し、「あの日のTHE FIRST」のタイトルで9月から独占配信されます。年内を目処に正式デビューされる過程も、その先も信念を貫き通していくことがまだまだ試されます。
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