「人の紹介でお見合いをしたことはあります。でも、結婚ありきで会うと減点方式で相手を評価してしまうのです。結婚でなくてもお付き合いする人は欲しかったけれど恋愛には発展しませんでした」
恋人もなく趣味もない一人ぐらしの生活に寂しさを感じていた育美さん。婚活はもういいやと思ったときに、犬を飼うことを思いついた。
「いいドッグトレーナーの方に出会えたのがきっかけです。その方の紹介で子犬を飼えたので、トレーニングに参加することにしました」
犬との生活はひたすら楽しいことがわかった。毎週末のトレーニングで我が「子」がいろんなことをできるようになっていく。自分が会社に行くときは寂しそうな顔をして、帰ってくると大喜びしてくれる。真っすぐな目で自分だけを見てくれて、車に乗せてどこにでも一緒に行ける。まさにパートナーだ。育美さんは「愛情に飢えていた」ことを犬に気づかされたという。
出会いはドッグスクール
智也さんとの出会いもそのドッグスクールだった。同じ時期にトレーニングを始めた同期だ。初回は姉と一緒に来ていたため、「ご夫婦なんだな」と育美さんは勘違いした。明らかに年下なこともあり、智也さんを恋愛対象としては見ていなかった。
「トレーニングは朝8時には終わるので、朝ご飯を一緒に食べに行きましょうと彼に誘ってもらうようになりました」
中学校時代から野球ばかりして成人したという智也さん。スポーツ推薦で入った高校は中退してしまい、親の勧めでアメリカに渡り、7年近くを現地で伸び伸びと野球をしながら過ごした。
帰国後はフリーターをした後に一族で営んでいる会社に入った。業績が傾いていたため無給で働いていたが、食べるには困らないので特に不満はなかったとのこと。高学歴・高職歴で貯金だけに専念していた育美さんとは、動物好きという共通点以外は正反対の男性だ。
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