デルタ株対策「やっていいこと」と「ダメなこと」 マスク、外食、電車…接種完了者へのアドバイス
ブレークスルー感染はどれくらい起きている?
ブレークスルー感染が起きる確率は低い。アメリカ疾病対策センター(CDC)はブレークスルー感染の追跡を5月に取りやめたが、約半数の州は今でも部分的な報告を続けている。その州のデータを使ってカイザー・ファミリー財団が行った分析では、接種完了者が入院や死亡に至るケースは極めてまれであることが明らかになった。
ただ、未報告となっているブレークスルー感染も多いとみられる。ブレークスルー感染を起こしていても、無症状だったり、軽症のまま治ったりして検査が行われなければ、統計には表れてこないからだ。
「ブレークスルー感染は珍しいものだが、それがどれくらい珍しいのかは、住民を無作為に検査してみないことにはわからない」と、ボストンのブリガム・アンド・ウィメンズ病院とハーバード大学公衆衛生大学院が共同運営するアリアドネ研究所のエグゼクティブ・ディレクター、アサフ・ビットン医師は指摘する。
どんなマスクが望ましいのか
接種すればマスクは要らない?
屋外の混み合っていない場所で、他者との間に十分な距離(少なくとも約1.8メートル以上)を確保できる場合にはマスクを着ける必要はない。これが大方の専門家の一致した見解だ。屋外であっても満員のコンサートに行くのはリスキーだが、それでも行く場合はマスクを着けよう。
「ワクチンを接種したかどうかわからない人と屋内にいる場合には(あなたが接種済みであっても)マスクの着用をお勧めする。とくに短時間であっても1メートル程度しか距離がとれない場合とか、同じ部屋で長時間過ごす場合には、マスクを着けた方がよい」と、エアロゾル科学に詳しいデンバー大学のアレックス・ハフマン准教授(化学・生化学)はアドバイスする。
もっと強力なマスクを使うべき?
防御効果が最も高いのはN95、KN95といった高品質の医療用マスクだが、偽物をつかまされないようにしたい。韓国製の高性能医療用マスクKF94の偽物は比較的少ない。医療用マスクを持っていない場合でも、一般的なサージカルマスクの上に布マスクを被せる二重マスクとすることで、かなりの防御効果が得られる。
排気弁付きマスクは絶対に使用しないこと。ウイルス粒子をそのまま外に排出させるものだし(つまり、あなたが感染していれば他人に感染させる)、偽物だった場合には排気弁が正しく機能せずウイルスを吸い込むことにもなる。