路線バスで野菜運ぶとなぜか「乗客が増える」ワケ 神姫バス「貨客混載」でわかった多方面への効果
神姫バスが行っている貨客混載事業の特徴は、間に物流業者が介在しないという点である。一度に積み込める荷物の量に限りがあるためJAが取りまとめたうえで、青果物の生産者がバスに直接積み込み、荷卸しは販売所のJAスタッフが行う。これにより、カゴ1個あたり200円または250円(大きさによって異なる)という低廉な運賃での実施が可能となった。ちなみに、運賃はJAが仲立ちする形で神姫バスに支払っている。
生産者やJAにもメリット大
また、生産者にとっては青果物を自分で販売所に持ち込む必要がなくなる。道幅が狭い箇所もある山道を、片道20~30分かけて運転するというのは、特に高齢の生産者にとって小さくない負担だ。実際、運転への不安から「作っても出荷できないため、青果物を作れない」という声があり、貨客混載事業の開始が引き金となって生産を再開した人もいるという。
JAにとってもメリットは大きい。JAのパートナーである生産者が増えるというのもあるが、これまでは生産者からの納品が朝だけだったため、昼過ぎには品薄になってしまうという問題もあった。バスで運ばれた野菜は12時前に店頭に並べられるので、ちょうどよいタイミングとなる。運賃収入が得られる神姫バスのメリットは、言わずもがなだ。
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