AIに負けない「武器」としての「デザイン思考」 自分をアップデートするのに必要な思考法
AIが得意な分野、それは「最終的な目的(ニーズ)が与えられた中で、そこに至るまでの最適なプロセス(ソリューション)を膨大な組み合わせの中から探索すること」である。
AIが囲碁や将棋で人間のプロたちに勝ってしまう現実が、それを如実に表している。すなわち、これらのゲームにおいては、「こうなったら勝ちです(将棋であれば相手の「王」を取れば勝ち)という最終目的」が与えられている。
その目的に向けてどの駒をどういう順序で動かしていけば目的を達成できるのか、AIは膨大な計算を行う。
この計算プロセスは、もはや人間が勝てる余地がない。人間がせいぜい数十パターンを頭の中で計算しているうちに、AIは数億通りのパターンを模索し、その中からベストソリューションを導き出すからである。②の領域については、人間は今後、さまざまな分野においてAIに太刀打ちできなくなる。
人間が得意で、AIにできないこと
では、「AIにできないこと」とは何だろう。AIは目的やニーズを自ら創造することができない、というのがそれである。その理由は、「AIには共感力がないから」である。
人間と違い、AIは人間に共感できないため、ユーザーの課題やニーズを発見できない。これは、本書で述べるような、デザイン思考のプロセスを見れば明らかである。 言い換えるとAIはデザイン思考ができないとも言える。
本書にもあるように、デザイン思考は共感から始まる。デザイン思考は、創造的問題解決のための思考法であり、最初から解くべき問題が用意されているわけではない。問題は、自分で定義しなくてはならない。
そこで重要なのが、共感力である。ペルソナとシーンを解像度高くイメージし、ペルソナの気持ちになりきる。そして深く共感することで初めて、潜在ニーズに気づくことができる。その具体的なやり方は、本書で述べていくとおりだ。
以上から、AIに代替されない人材とは「デザイン思考力を持つ人材」ということになる。上の分類で言えば、③のタイプ、つまり自らニーズを発見し、ソリューションを生み出せる人材である。
今後、AIに代替されないためにも、ぜひ皆さんには本書を活用し、「デザイン思考力」を身につけていただきたい。
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