AIに負けない「武器」としての「デザイン思考」 自分をアップデートするのに必要な思考法

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①のタイプは、ニーズ(課題)とそのソリューション(解決法)が与えられた状態で、それを正確に再現、実行できる人であり、いわゆる「受験勉強が得意な人」が該当する。

タイプ①に該当する人=受験勉強が得意な人

なぜなら、受験勉強においては、課題(設問) と、その解き方を教えられ(与えられ)、練習問題に繰り返し取り組むことで課題と解決策の紐づけトレーニングをし、試験当日にきっちりその紐づけを実行できれば、良い点をとって合格できるからだ。

ところが、社会に出ると②のタイプの能力も求められる。 課題やニーズが与えられた中で、それを実現するためのベストソリューションを自分で見つけ、実行できる人である。これはいわゆる、「仕事ができる人」と言われる人だ。

タイプ②に該当する人=仕事ができる人

仕事の現場では、上司が課題と解決策まですべて提示してくれることはない。上司から「こういうことをやりたい」というニーズだけを伝えられたとき、そのやり方は自ら考え、効率的に実行できなければならない。

やり方まで指示されないと動けないとか、非効率的なやり方ばかりしているということでは、たちまち「仕事のできない人」というレッテルを貼られるだろう。受験勉強ができる、すなわち高学歴だからといって仕事ができるわけではない、と言われるのは、まさに①と②の能力に差分が存在するからである。

AIに代替されるタイプの人とは

ところが、AIが発達すると、①や②のタイプの人がこなす仕事の領域は、AIによって代替されていってしまう。①の領域は、仕事で言えば、いわゆる「単純作業」の領域であり、究極的には、AIを使わなくとも単純なルールベースのシステムでも自動化できてしまう。

現在、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)という名で業務効率化が行われているのは、多くの場合はこの領域である。

一方、AIという最先端技術が大きな変革を起こそうと取り組んでいるのは、主に②の領域である。この領域は、これまで「仕事のできる人」の専門領域だったが、ここがAIによって代替されようとしている。

この点について深く理解するためには、 現時点で 「AIにできること」「AIにできないこと」を、その特性から理解する必要がある。

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