【産業天気図・住宅・マンション】価格下落、政策支援で最悪期脱出、来春まで「曇り」に持ち直す

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

予想天気
10年4月~9月 10年10月~11年3月

 住宅・マンション業界の景況感は小幅で上向いており、2011年3月まで1年通じて「曇り」となりそうだ。マンション価格の下落に住宅減税等の政策が後押しする。

不動産経済研究所の首都圏マンション販売状況によると、10年1月~4月の4カ月間のマンション発売戸数は1万1262戸。これに対して契約戸数は8700戸で、契約率は77%に達した。好不況の分かれ目とされる70%を上回る水準だ。前年同期では、発売戸数が9280戸に対して契約戸数は6246戸で、契約率は67%にとどまっていた。

同研究所の福田秋生企画調査部長は「マンション価格の下落や、住宅ローン減税などの政策支援がプラス効果を発揮している。また、景気ももう一段悪化する懸念が薄らぎ、購入に踏み切る人が増えてきたようだ」とみている。

ただ、同研究所が予想する10年の首都圏マンション供給戸数は4.3万戸。前年の3.6万戸からは約20%の伸びだが、かつての活況期の年8万戸には遠く及ばない。福田氏はマンションデベロッパーの3分の1以上が淘汰され、物件供給力そのもがなくなっていることを指摘し、「05年まで続いた8万戸時代への回帰はもはやない」と予想する。

現在のマンション業界は、生き残ったデベロッパーがピーク時の半分程度の供給戸数でしっかり利益を生む時代に入ったと言えそうだ。

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事