三菱電機、再び不祥事「変わらぬ後手対応」の唖然 社長交代2日後に検査不備をHPで公表したが・・・
新たな経営体制にも、「変わらない」との批判の声が上がる。
社長に就任した漆間氏は杉山前社長とともに代表執行役を務め、経営企画を担当してきた事実上のナンバー2だった。2017~2020年には、鉄道用装置の検査不正を起こした部門の事業担当役員を務めていた。
「工場長などの現場責任者ではない」(藪中三十二・指名委員会委員長)というが、本来なら責任を問われてもおかしくない立場だ。
社長交代以外の責任の取り方も、極めて限定的だった。
柵山正樹会長は留任し、杉山氏も社長は辞任したとはいえ特別顧問の座にとどまっている。業務執行には関わらないものの、対外的な活動を担い、本社内には部屋も用意されている。弁護士や大学教授からなる調査委員会が進める調査次第で処分も検討するというが、どこまで踏み込めるかは不透明だ。
問題解決は調査委に「丸投げ?」
一連の問題の検証は、この調査委に委ねられている。9月中に鉄道用装置の検査不正について調査結果と再発防止策を発表する予定で、並行して全社で同様の事態がないかを調査する。
7月21日に3人の委員が決定し、全社員に向けてアンケートを実施している。杉山社長は全社員に対するメッセージで調査への協力を要請し、不正を申し出た社員を懲戒対象にしないとも伝えたという。
ただ、ここへ来て「調査委に丸投げで、主体的に問題を解決しようという意識が見られない」(取引先幹部)という批判も出ている。業務用空調の検査不備は、現場の自主点検で発覚したものだが、全社でこのような取り組みが行われているかというと、必ずしもそうではないようだ。
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