日本人が知らない「1000円カット」の真の魅力 最大のセールスポイントは「安さ」ではない

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なにしろ、世の中で時間よりも価値のあるものは売っていません。業界トップのQ社のキャッチコピーは「10分の身だしなみ」ですが、もっとあからさまにウリを書くとこうなるでしょう。


時間がない? 髪も待ち時間もカットします!

ベタすぎますか? けれども、キャッチコピーの効き目はウマく書くことより、伝えている中身で決まるのです。ウリがはっきりとわかると、ターゲットが明確に定まってきます。そして、キャッチコピー文も、より具体的に書くことができます。セールストークもシンプルで強いものになります。これにより、ウチの商品の価値をわかってくれるお客様と、つき合うことができるようになるのです。

大事なのは「正しいウリ」を見つけること

これまで見てきたように、大手企業や有名チェーンなどであっても、ウリをカン違いしている例には事欠きません。スケールメリットでなんとかなる大手はよくても、スモールビジネスの場合ですと、ビジネスがうまくいかない原因や、モノが売れない原因は、商品やサービスのウリを間違えていることなのです。

『即買いされる技術 キャッチコピーはウリが9割』(秀和システム)書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。

間違ったウリをもとに、自分でキャッチコピーを書いても、あるいはコピーライターに高額を支払って外注しても、「期待したような反応がない」のは当然です。

「キャッチコピーで売れた!」という話もよく聞きますが、実際は正しいウリのポイントを見つける考え方やノウハウこそが大切です。大工さんが段取り八分というように、売れるキャッチコピーとは、エッジのきいた一文を書くことではなく、「ウリを見つけるプロセス」が、その9割を占めているのです。

弓削 徹 コピーライター

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ゆげ とおる / Toru Yuge

東京・浅草生まれ。法政大学法学部卒業。広告代理店を経てコピーライターとして独立。SONY、サントリー、IBM、JTなど2200社のテレビCMからPOPまでの企画、コピーライティングを担当して売上拡大に貢献する。「ノートパソコン」の命名者。中小製造業のマーケティング経営を支援するほか、全国の商工会議所でキャッチコピーや販路開拓など600回のセミナー講師を務める。ラジオFM J-WAVE「TOKYO MORNING RADIO」、TBSラジオ、ニッポン放送などの情報番組にコメンテイター出演。主な著書に『キャッチコピーの極意』(明日香出版社)、『顧客は展示会で見つけなさい』(日刊工業新聞社)など。

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