伝説の自動車評論家「プジョーEV」の虜になった訳 納車から半年経ったが、運転したい日が続く

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もうひとつ変化したのはサイズ。もともと家内用はコンパクトだったし、僕も基本的にはコンパクト好き。そこに「年齢制限?」が加わって、いつのまにか「コンパクトはマスト」といったことになっていた。

過去数年の間に買ったいちばん大きなサイズはアウディ Q3 クアトロ。あとはミニクーパーとクーパーS コンバーチブル、ゴルフGTI、GTI パフォーマンスだ。といったことで、猛烈に心惹かれたAudi e-tron Sportsbackだが、なんとか踏みとどまった。寂しい決断だったが仕方がない。

でも、EVに乗りたいという気持ちが萎えることはなかった。そんなところに現れたのがプジョー e-208。2020欧州カー・オブ・ザ・イヤーを獲得した、コンパクトな4ドア・ベースのEVだ。

初めに乗ったのはガソリン車だったが、走り味/乗り味ともに気に入った。でも、より以上気に入ったのはルックス。エクステリアにもインテリアにも強く惹かれた。もちろんサイズにも満点がつく。家内も100%気に入ると思ったが、ひと目見るなり「いいなぁ!!これほしい!!」と言い出した。運転しての反応も同じだった。

その時点ではすでにEVモデルのスペックもわかっていたし、欧州からの評判あれこれも伝わってきていた。否定的な意見はほとんどなく、肯定的な意見が圧倒的多数だった。僕は決めた。クルマとともに歩んできた人生で初めて所有するEVを「プジョー e-208 GTライン」にすることを。

用もないのに用を作って出かけたくなる車

試乗しても気持ちが変わることはなかった。いや、「ほしい!」という気持ちはさらにさらに膨らんだ。家内も「絶対にこれがいい!」、「他のクルマは見なくていい!」とさえ言い出した。

そして、今年の1月23日、「めでたく納車」となった次第だ。わが家のガレージには2000年から充電設備がある。日産ハイパーミニの長期試乗を依頼されたときに設置した、3kwの普通充電だ。プジョー e-208の場合、「3kw充電器での50km走行分充電時間(目安)は約3時間」とアナウンスされている。

日々の買い物は往復5~6kmでしかない。たまに行く、特別な商品を揃えたショッピングセンターも往復20km程度。銀座で食事をしたくなっても往復50km走ればいい。

満充電でメーターに表示される走行可能距離は約320kmだが、ゆとりを持った安全率/安心率を考えると200km辺りが実用上の実力といったところ。現役バリバリで動き回っている人には十分ではないだろうし、休暇に帰る実家が遠い人にも使えない。……でも、今のわが家にとっては不安要素はなにもない。

基本的には数日~1週間に1度くらい、「夜間電力充電」だけでこと足りる。安全の担保として、日産の充電ネットワークが使える「CHARGING CARD」会員にはなっているが、未だ使ったことはない。

上記のように納車後半年経った。が、静かで滑らか、素晴らしいレスポンスとパンチの効いたスタートダッシュ、低重心と最適な重量バランス、気軽なサイズ感、そして、粋でオシャレなデザイン……プジョー e-208に触れるのは未だ日々新鮮だし楽しい!

家内曰く、「用もないのに用を作って出かけたくなる。運転したくて!」とのこと。僕も同じ。「ちょっとでいいから出かけたい! 運転したい !」と思う日々が未だ続いている。

文:岡崎宏司(自動車ジャーナリスト)

岡崎宏司 / 自動車ジャーナリスト
1940年生まれ。本名は「ひろし」だが、ペンネームは「こうじ」と読む。青山学院大学を経て、日本大学芸術学部放送学科卒業。放送作家を志すも好きな自動車から離れられず自動車ジャーナリストに。メーカーの車両開発やデザイン等のアドバイザー、省庁の各種委員を歴任。自動車ジャーナリストの岡崎五朗氏は長男。
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