グローバル人材に求められる3つの素養とは?

日本の英語教育を変えるキーパーソン 加藤智久(3)

加藤:よくわかります。実はつい最近、お話させていただく機会があった東大の大浦弘樹先生という反転学習の推進者も、子供のやる気をいかに引き出すかに反転学習もかかっているとおっしゃるんです。対面のデザインを自分ひとりでの学習に、いかに上手にひもづけていているかを示すことができて、初めて価値が出てくるとのことでした。

安河内:ひとりでの個人学習を多くの子供がやらない。この現実をどうするかが反転学習の課題でしょう。日本人は極論に飛びつくところがあって、「反転学習だ!」となると、学校は全部演習でインプットは全部家でやりなさいという話になってしまいがちです。反転学習は「今は学校でインプットしかしないから、インプットとアウトプットのバランスをよくしましょう」ぐらいの認識でいいのではないでしょうか。アメリカのように極端にやると怖い気がします。間をとってうまくやってほしい。

中高の英語による英語教育の意外な成果とは?

加藤:英語で教えるという教育は今、はやりつつありますね。英語を英語で教えるというのであればいいと思うのですが、高校で出てきている、英語でほかの科目を教えるような動きはかなり危険だと思います。

安河内:日本人の今の英語のレベルでそれをやるのは、かなり厳しいですね。

加藤:英語もイマイチだし、数学、理科など英語で習うほかの科目も伸びなくなってしまいます。

安河内:やっぱり母国語でやるのがいちばんレベルは上がります。たどたどしい英語でやると数学のレベルが下がってしまいます。

加藤:フィリピンがまさにそうなのです。英語はすごいのですが、数学を英語で習っているぶん、数学の力が弱くなっている。

安河内:これは英語を英語で教えることに関してですが、日本の中学校でも英語の授業を基本英語のままで行うという動きが進んでいます。到底うまくいかないと思われるかもしれませんが、これがそうでもないんです。私は視察で授業を見学したことが何度かあるのですが、学校によっては、意外とうまくいっていたんですよ。

加藤:そうなんですか?

(構成:山本 航、撮影:宮園厚司)

※次回は8月13日(水)に掲載します。

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