銀行に「あなたは損しています」と言われたら? なぜか気になって仕方がない魔法の勧誘ワード

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Aさんの年金見込み額は、国民年金部分が約72万円、厚生年金部分約90万円、合計約162万円。これを65歳ではなく60歳からの受け取りにすると7掛けになるため年金額は約113万円になります。

本当に早めにもらうとお得?

年金収入からは公的年金等控除を差し引きます。このケースでの控除額は60万円ですから住民税の基礎控除43万円を引いても若干課税されてしまいます。その他控除がどれだけあるかにもよりますが、確実に住民税が非課税となるとは言えません。

ただし65歳以降は公的年金等控除が引き上げられますので、Aさんは住民税非課税となりそうです。そうなると前述の「年金生活者支援給付金」月5000円程度の対象となるでしょう。

また住民税非課税世帯となると、高額療養費における自己負担上限額がさらに引き下げられたり、健康保険料の減免が受けられたりします。しかし「年金生活者支援給付金」は消費税が引き上げられた際に始まった制度ですから、6年後も同様の制度があるかはわからないということも付け加えました。

Aさんは怪訝な顔をしながら、「銀行で聞いた話とはずいぶん違いますね。というより、そもそも僕の年金は月10万円もないんですか?」とおっしゃいます。給付金制度や助成制度の一般的な情報は正しくとも、Aさんが本当にそれに該当するかどうかという視点が欠けていたのです。

しかもAさんは就職する前の3年間、年金を払っていなかった期間があるため、このままでは国民年金は、満額は受け取れません。これを満額にするには60歳以降、任意加入をする必要があります。一方会社でこのまま働き続けると、負担する厚生年金保険料の中で、国民年金の過去の未納分が埋められることになり満額に相当する金額が受け取れます。もちろん老齢厚生年金額も増やすことができます。

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