銀行に「あなたは損しています」と言われたら? なぜか気になって仕方がない魔法の勧誘ワード

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銀行など金融機関に相談に行ったときに「あなたは損していますよ」と言われたら、どうする?(写真:takeuchi masato/PIXTA)

「あなたは損をしている!」なんて言われたら、誰しも心穏やかではいられないでしょう。「なんとか損をしない方法はないものか」と気になるのは当然です。

銀行で「年金をはやくもらわないと損」と思うように

今回はファイナンシャルプランナーとしてお客様のライフプラン相談にたずさわる筆者の元に来られた2人の事例をご紹介します。いずれも「損をする」と金融機関に言われ、驚いて駆け込んできた方たちです。いったい彼らは何を言われたのでしょうか?

Aさんは、銀行で「年金相談」に申し込みました。来年定年を迎える独身のAさん、さすがに老後の暮らしが気になっているのです。

実際、担当の方はとても丁寧に年金制度についてお話をしてくれたそうです。Aさんの生年月日を聞いて、老齢年金は65歳から支給開始であること、希望により受給を早めることもできるし、反対に遅らせることもできることを教えてくれました。また、定年後はできれば働かず、趣味の釣りを楽しみたいAさん、すぐにでも年金は受け取りたい意向です。

年金を5年早く受け取り始めると年金額が3割少なくなることも説明を受けました。でもAさんが「年金なんて死んだら受け取れなくなるんだから、早くもらわないと損ですよね」と言ったところ、銀行の担当者からはにこやかに感謝を告げられ「年金の受け取りは当行へ」と書かれたチラシを手渡されました。

担当者はさらにこう続けました。「年金暮らしになっても税金や社会保険料が取られます。年金額が多いとそれだけたくさんのお金が取られます。反対に年金が少ないと医療費の負担が減ったり、給付金がもらえたりしますよ」と。Aさんは「それならなおさら65歳まで年金を待つのはむしろ損だ」とそのとき思ったそうです。

さて、筆者の元ではAさんのねんきん定期便を見ながら、実際の年金額を確認するところから始めました。なぜなら、銀行での話はすべて一般論、給付金うんぬんの話も条件がありますからAさんに当てはまるのかどうかを検証する必要があると考えたからです。

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