五輪「性行為防止ベッド」デマなぜ広がったのか 再生可能な段ボールベッドが誤解を招いた

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これら1万8000床の段ボールベッドとマットレスを使用する計画(うち8000床はパラリンピックでも使用される)は、コロナ禍となる前に発表されたもので、当時はソーシャルディスタンス(密回避)の規制も存在しなかった。それに、このベッドは見かけによらずしっかりしている。

エアウィーヴの声明には「段ボール製のベッドは、木製や金属製のものよりも頑丈」とある。

モジュール式のマットレスは、選手の体形に合わせてカスタマイズが可能。耐荷重は約200キログラムで、最もがっしりした体格のオリンピック選手にも十分に対応できる。

「どんちゃん騒ぎ」は禁止

もっとも、組織委が選手に対して東京にいる間は誰ともベッドを共にすることなく、ほかの場所でも密の回避を徹底するよう望んでいるのは確かだ。感染対策を記した規則集「プレーブック」は、大会参加者に「ハグ、ハイタッチ、握手などの物理的な接触は避け」るよう勧告している。

酒類の販売も、どんちゃん騒ぎを防止する目的で禁止される方針となった。1988年のソウル五輪以来、選手村で配布されてきたコンドームは、安全な性行為を啓発するものとして提供が続けられるが、配布数は2016年リオデジャネイロ五輪の過去最高記録45万個の3分の1にまで縮小。配布するコンドームは帰国後に使用してもらうためのものだと組織委は明言している。

こうした対応の背景には、オリンピック開催に向けて感染拡大懸念が強まってきたという事情がある。とりわけアジアでは、感染力の強いデルタ株が広がり感染者数が増えている。

約1万8000人の選手・関係者が参加する東京オリンピックでは厳しい検査体制が敷かれ、感染者が次々に見つかっている。安全上の懸念から五輪を辞退する選手がいる一方、アメリカの10代のテニススター、コリ・ガウフ選手のように検査で陽性となり欠場を余儀なくされる選手も相次いでいる。

(執筆:Austin Ramzy記者)
(C)2021 The New York Times News Services

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