五輪「性行為防止ベッド」デマなぜ広がったのか 再生可能な段ボールベッドが誤解を招いた

拡大
縮小
東京オリンピックの選手村に設置されている段ボールを利用したベッドは再生可能な素材を利用している(写真:Kiyoshi Ota/ Bloomberg)

東京オリンピックに出場するため選手村に入った競技者はベッドが普通でないことに気がついた。段ボールでできていたからだ。

組み立て式になっているベッドフレームの画像をソーシャルメディアでシェアした選手もいる。段ボールベッドはエアウィーヴという日本の寝具メーカー製で、リサイクル可能だ。東京オリンピック・パラリンピック組織委員会によると、ほぼ再生可能な素材だけでできたベッドを使用するのはオリンピックでは初めてという。

選手間で広がった「憶測」

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大を懸念する大会組織委員会は人の接触を最小限に抑えようとしているため、この風変わりなベッドには何か隠された狙いがあるのではないか、との説が一部で広がった。

長距離走のアメリカ代表、ポール・チェリモ選手は、1人しか支えられないこのベッドには「アスリート同士が深い仲になるのを防ぐ狙い」があるとする臆測をツイート。すると、ソーシャルメディア上ではこのベッドにすぐさま「反性行為ベッド」とのレッテルがはられた。性行為防止用ベッド、というわけだ。

体操のアイルランド代表、リース・マクレナハン選手はこうした説を「フェイクニュース」と呼んだ。ツイッターに投稿した動画でマクレナハン選手は、跳んだり跳ねたりして、このベッドが激しい動きにも耐えられることを証明して見せた。オリンピックの公式ツイッターアカウントは動画をリツイートし、こんなコメントをつけた。「俗説を打ち砕いてくれてありがとう」。

次ページ段ボールベッドとコロナは無関係
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT