異例の「大規模デモ」キューバが置かれている状況

人々がSNSやネットで窮状を訴える姿も

メキシコのアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領は12日、記者団に対し、「真実は、もしキューバを助けたいのであれば、まずすべきことは、キューバへの封鎖を停止することだ」と述べた。「それこそ真に人道的な行為だ」。

しかし、アメリカのキューバ人活動家の中には、経済制裁に反対する人も含めて、こうした話にすぐに異議を唱える人もいる。

マイアミの支援団体「モビミエント・デモクラシア」のラモン・サウル・サンチェス代表は、「私はアメリカの経済制裁を支持しないが、キューバで食料も薬も何もないのは、これの結果ではない」と話す。同氏は、制裁下であっても、資金面での制限が購入量の大きな障壁となっているとはいえ、キューバはアメリカから食料を購入できることを指摘した。

キューバの脆弱な経済は、アメリカの制裁だけでなく、財政不振やパンデミックによる観光客の激減によって打撃を受けており、キューバがさまざまな需要の面で依存する重要な外貨の供給源を奪っている。また、キューバ政府は、最も近い地域の同盟国であるベネズエラの経済破綻にも対処しなければならなかった。

「自分の子どものために店で食料を買えないことがどのようなものかわかりますか?」と、ハバナに住む43歳の主婦、オデイス氏(政府からの報復をおそれて名字を伏せることを希望)は語った。「人々は権力の濫用にうんざりしています。私たちは絶望しています」。

キューバ国家統計局によると、今年の最初の5カ月間で、キューバへの海外旅行者数は2020年の同時期に比べて90%近く減少。物価も高騰しており、インフレ率は約500%に急上昇し、現在も上昇を続けていると、元キューバ中央銀行のエコノミストで、現在はコロンビアのポンティフィシア・ジャベリアナ大学の経済学教授であるパベル・ビダル・アレハンドロ氏は述べている。

「状況は非常に、非常に深刻だ」とヴィダル・アレハンドロ氏は語り、インフレの公式な数値は入手できないと指摘。「高いインフレ率はつねに社会的不安を引き起こすものだ」。

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