「頑張っているのに評価されない」嘆く人の勘違い 「長時間労働」や「発言」が評価につながる?

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おそらくA.Tさんのケースでも、A.Tさんの思う評価されうるべき行動と上司の方の思う評価されるべき行動の基準や尺度がそもそも違うのでしょう。

「上司が何を見ているのかわからない」という趣旨のことを書かれていますが、それこそがまさに問題なのです。何を見ているのかがわからないままでは評価されようがありません。評価されたいとして頑張る気持ちはわかりますが、まずはその評価されうる行動の基準といった根本の認識のすり合わせを行いましょう。

そうでないと、努力する方向性を間違えますし、いつまで経っても評価されるようにはならないでしょう。

「何が求められているのか」を知ることが大事

結果を生む努力と無駄に終わる努力があることは紛れもない事実ですが、その場において結果を生むためには、「何が求められているのか」を知ることが大事であり、そのうえで努力の方向性を決めるべきなのです。この根本がわかっていないと、転職しようが何をしようがまた同じことの繰り返しになってしまいます。

「行き先が見えないしわからないけど、とりあえず走り出したので、走ったことを評価してください」といっても、求められている行き先とまったく反対の方向に行っているのであれば評価されるはずがありません。

どこに向かうべきなのか、どう向かうべきなのか。

それを理解したうえでないと求められる仕事もできませんし、評価もされないというものです。ですから、まず努力する前に、どこに向かって、どんな努力をするべきなのか、をキチンと理解するようにしましょう。

もちろんそれは評価されるため、という単純な理由だけではありません。

何をもって評価されうるか、はその組織や職場の価値観でもあるのです。

その価値観が自分に合うのか否か、要は自分がしたいと思える努力であるか否か――。

そういった働くうえで大切なことを理解するうえでも、そういった職場における基準を理解することは大切なのです。

頂戴した相談を拝見するにA.Tさんは仕事に対するモチベーションも高く、また責任感も強い方なのでしょう。であるがゆえに、何が本質的に求められているのかという根本を理解していないことは非常にもったいないことです。

評価されうる行動とは何か? 自分には何が求められているのか? そういった根本をキチンと理解したうえで、やるべき正しい努力と行動をしてみましょう。

A.Tさんがそういった根本の理解を通じて、よりよい仕事をし、もって正当に評価されるであろうことを応援しております。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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