混迷の東京五輪「選手をサポートする企業」の本音

企業がスポーツ選手を支援する長期的な狙い

ジョイカルジャパンと所属契約を結んでいる体操の内村航平(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

6月下旬には「まん延防止等重点措置」が7月11日に解除されることを前提に、観客上限を1万人とする有観客開催も正式決定。IOCなど大会関係者は別枠とカウントされ、開会式に2万人が集まる見通しだった。が、東京のコロナ新規感染者のリバウンドにより、一部競技の無観客開催も現実味を帯びるなど、いまだ混沌とした状況が続いている。世間の反発も根強いものの、五輪開催自体はほぼ確実と言えるだろう。

こうした動向をやきもきしながら見守っていたのが、アスリートを支えるスポンサー企業だ。東京五輪メインスポンサーに名を連ねるトヨタ自動車を筆頭に、数多くの会社がスポーツ界に吹き荒れる逆風を危惧していた。

企業がアスリートを支援するワケ

確かに今回の五輪開催にあたっては、想定外の出来事の連続だった。新国立競技場やエンブレムの白紙撤回、新規恒久施設の後利用、政治とカネにまつわる不透明感など数々の問題が浮上。ネガティブムードがコロナ禍突入で一気に強まった印象だ。今年に入ってからは、SNS上で水泳の池江璃花子に五輪辞退を求める書き込みがなされるという異常事態にまで発展。アスリートファーストがどこかに置き去りにされ、当事者たちは肩身の狭い思いをしているはずだ。

まさに頭の痛い状況ではあるが、五輪があるなしに関係なくスポーツやアスリートは存在する。そして、彼らの活動はスポンサーの支援なしには成り立たないのだ。混乱の中、企業はなぜアスリートをサポートするのか。企業とスポーツの関係とはどうあるべきなのか……。それを探るべく、あえてこの時期に東京五輪に関わる3つの企業の本音を取材した。

まずはトヨタ自動車。世界最大規模を誇る自動車メーカーの同社は1937年の創業時に陸上部を発足させるなど、スポーツとは深いつながりを持つ。終戦当時の1947年には社内駅伝をスタートさせ、2019年には約5000人が参加、社員3万5000人が応援するなど、スポーツが社内の一体感醸成や士気高揚に大いに役立ってきたという。

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