学生は「就職サイト」に本当に満足しているのか エントリーシートやOB・OG訪問対策に要望多い

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学生から見れば、就職サイトがばらばらであるのは面倒だ。多くの学生はメインをひとつ選んだうえで、補佐的に他の就職サイトを使っている。複数を使っていれば、どの就職サイトからどの企業にエントリーしたかを忘れることもあるだろう。そこで就職サイトの乗り合いサービスを希望する声は多い。

このようなサービスは技術的には可能だろうが、一つひとつの就職サイトは互いに競合の関係にあるので、実現は困難だろう。

「複数サイトの情報の更新を一括で確認できたら便利だなと思った」(理系・その他私立大)

「就職ナビ同士の連携」(文系・旧帝大クラス)

原理的に無理な注文もある。

「全企業に対応してほしい」(文系・中堅私立大)

「就職ナビと契約していない企業の情報を見ることができるとよい」(理系・中堅私立大)

就職サイトに掲載されている企業は掲載料を支払っている。掲載料があるから就職サイトはサービスを維持できる。契約していない企業情報や全企業対応は不可能な話だ。

現状に満足の学生も

以上、学生が「就職サイトに求める機能、サービス」を紹介してきた。ただ現状の就職サイトに対する不満が渦巻いているわけではない。「十分」「便利」「満足」という声も最後に紹介しておこう。

「今あるサービスで十分だと思う」(文系・中堅私立大)

「今のままで本当に便利だと思う」(理系・中堅私立大)

「サービス自体には、大変満足していた」(文系・早慶大クラス)

学生はいろんな就活情報を就職サイトから得て活動しており、いくつかの注文を持っている。

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代表的なものは、エントリーシートの添削と管理、適性テスト対策、OB・OG訪問機能の実装、そして内定者の口コミ情報だ。しかし、学生コメントを読み進めると、全体的には就職サイトのサービスに満足して就活を進めているように感じる。

また、2010年代初期の学生コメントにはイライラした感情が透けて見えるものが多かったが、近年の学生の筆致は落ち着いているように感じる。就職サイトは多様化し、新興サイトが存在感を示しているが、学生にとってはよい方向に進化しているのだろう。

佃 光博 HR総研ライター

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つくだ みつひろ / Mitsuhiro Tsukuda

編集プロダクション ビー・イー・シー代表取締役。HR総研(ProFuture)ライター。早稲田大学文学部卒。新聞社、出版社勤務を経て、1981年文化放送ブレーンに入社。技術系採用メディア「ELAN」創刊、編集長。1984年同社退社。 多くの採用ツール、ホームページ製作を手がけ、とくに理系メディアを得意とする。

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