商船三井と川崎汽船、異例の業績上方修正のわけ

コンテナ運賃が高止まり、どこまで続くのか

多数のコンテナがひしめき合う中国・青島市の港(写真:Imaginechina/時事通信フォト)
海運大手の商船三井と川崎汽船が2022年3月期の連結業績予想数字を相次いで上方修正した。その主因は、日本郵船を含む大手3社で営むコンテナ船事業の利益の大幅な上振れだ。
コロナ禍でコンテナ物流の混乱が長引く中で運賃が急騰。空前の利益につながっている。
海運業界の足元でいったい何が起きているのか。さらに、運賃の高騰はいつまで続くのか。コンテナ物流に詳しい拓殖大学商学部の松田琢磨教授に聞いた。

コンテナ運賃は過去最高を記録

――株主総会が終わらないうちに、商船三井は2021年4~9月期の連結経常利益を期初の650億円から1850億円へ、川崎汽船も同440億円から1590億円へ大幅に上方修正しました。かつてない好業績ですが、何が起きているのでしょうか。

コンテナ船市況が予想を超えて高騰を続けていることが主因だ。公益財団法人の日本海事センターが6月22日に発表した5月の上海発ロサンゼルス行きコンテナ船の運賃(40フィートコンテナ)は、コンテナ1個当たり6350ドルと、前年同月の2080ドルから3倍以上に高騰している。今年1月の5170ドルと比べても上昇が続いている(元データはDrewry社)。

ヨーロッパ航路も運賃が高止まりしている。上海発ロッテルダム行き運賃は1個当たり8730ドルと、2020年5月の1840ドルの4倍以上に達している。今年1月の9520ドルと比べるとやや下落しているが、引き続き空前の高水準が続いている。

6月までのコンテナ貨物のスポット運賃指数(上海航運交易所)は、上海発北アメリカ西岸行き、ヨーロッパ行き航路とも過去最高を記録している。北米航路でも欧州航路でも、実勢運賃はこれをさらに上回っている。

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