「頑張ることをモットーにする人」が陥る3つの罠 89歳のシスターが伝える「不安を消すヒント」

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たとえば、老人ホームヘ親に入所してもらうというケースについて考えてみましょう。

「うちの親は、このエリアで一番いい老人ホ—ムに入所してもらおう」 真面目な頑張り屋さんは、そんな思いで資金を潤沢に用意しようとするかもしれません。でも、希望の施設が満員で入れない可能性もあります。また、「理想の老人ホーム」の条件を挙げ始めると、山のように出てくるかもしれません。でも、理想を全部かなえることは、最初から諦めておきましょう。

なにごとも「すべてがうまくいくわけがない」というこの世の真理を明らめる(わきまえる)べきです。

こんなときは、現実的な条件の中で、自分自身や周りの人を犠牲にしない道を選んでいきましょう。頑張り屋さんにとって「自分を犠牲にしない」という姿勢はとても大切です。なぜなら、どんなにいいことをしたとしても自分への負荷が大きかった場合、あとで必ず怒りがふつふつとわいてくるものだからです。

老人ホームの候補を絞り、入所先を決めることができたら、「このホームは、ほかの施設に比べてスタッフが無愛想だ」などと減点法で見るのではなく、「庭に花壇があって、いい雰囲気だ」というように加点法で見ていきましょう。

そして、「老人ホーム探しは、やれるだけやった」と自分の頑張りを認めて、心を満足させることが大事です。

離れている大切な人に温かさを伝えること

老人ホームへ親に入所してもらったら、親はその日から一日の大部分をひとり、個室で過ごすことになります。「いざ離れるとさみしい」「心配でならない」などと感情に流されてソワソワするのではなく、「離れたところにいる親に、温かさを伝えること」に力を注いでいきたいものです。

コロナ禍で会うことがかなわない大切な人たちに対しても、同じように知恵を使い、今の自分にできる「最善の道」を選んでいきましょう。

次にご紹介するのは、実際に私が聞いた、温かさを伝える2つの方法です。

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