投資初心者でもできる!「割安株」を探す3つの方法 なんとなくの “勘"で株を買っていませんか?
最後に、キャッシュ・フロー計算書をもとに株価の割安度を測る方法をお伝えします。キャッシュ・フロー計算書をもとにあるべき価値がわかれば、今の株価が割安かどうかがわかります。
この方法では、CFPSという指標を使います。
CFPSとはCash Flow Per Shareの略で、「1株当たり営業C/F」のことです。キャッシュ・フロー計算書に計上されている営業C/F(営業活動によるキャッシュ・フロー)を発行済み株式数で割って計算します。たとえば、営業C/Fが100億円で発行済み株式数が1億株であれば、CFPSは100円です。営業C/Fは1年間の営業活動の結果生み出されたキャッシュですので、あるべき価値の目安となります。
ここで留意すべき点は、CFPSのもととなる営業C/Fは過去1年分の実績しか反映されていないことです。したがって、単純にCFPSと株価を比較しても意味がありません。おおむね、株価は向こう10年分のC/F見込みで形成されていると考えられています。
したがって、CFPSを10倍した数値と株価とを比較して株価が割安かどうかを調べます。
このように、CFPSと株価を比較する指標をPCFR(Price Cash Flow Ratio、株価キャッシュフロー倍率)といいます。計算式は以下のとおりです。
つまり、PCFRは株価がCFPS(1株当たり営業C/F)の何倍になっているかを表した指標です。先ほど説明したとおり、株価は通常、向こう10年分のC/F見込みで形成されているため、PCFRが10倍を割ると割安というシグナルになります。
10倍という数字が全業種平均であって、業界ごとに異なるということは、PERと同様です。
PCFRはPERの欠点を補う意味で重要な指標です。
PERは、当期純利益が計算の出発点になっているため、臨時的な費用が加味されているという欠点があります。
つまり、突発的に損失が発生した場合、利益が押し下げられます。これをベースに計算すると、EPSが過小になってしまうため、PERが実態よりも上がってしまいます。
そこで、営業活動で増加したキャッシュをベースに計算されるPCFRも併せて確認する必要があるのです。
いかがでしょう。以上のように決算書を使って企業の状態を分析することで、自信を持って投資先を決めることができます。「ビジネスの共通言語である」とも言われる会計について学べば、投資に強くなり、ビジネスにおいても大きな武器となりますので、ぜひ「決算書」に注目してみてください。
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