投資初心者でもできる!「割安株」を探す3つの方法 なんとなくの “勘"で株を買っていませんか?

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②損益計算書で割安株を探す

次に、損益計算書をもとに株価の割安度を測る方法をお伝えします。損益計算書をもとにあるべき価値がわかれば、今の株価が割安かどうかがわかります。

この方法では、EPSという指標を使います。EPSとは「1株当たり当期純利益」のことであり、損益計算書に計上されている当期純利益を発行済み株式数で割ったものです。たとえば、当期純利益が90億円で発行済み株式数が1億株であれば、EPSは90円です。当期純利益は1年間の経営活動の結果生み出された株主に帰属する利益ですので、あるべき価値の目安となります。

ここで留意すべき点は、EPSのもととなる当期純利益は過去1年分の実績しか反映されていないことです。したがって、単純にEPSと株価を比較しても意味がありません。平均的に、株価は向こう15年分の利益見込みで形成されていると考えられています。したがって、EPSを15倍した数値と株価とを比較して株価が割安かどうかを調べます。

(出典:『カンタン図解で圧倒的によくわかる!【決定版】決算書を読む技術』)

このように、EPSと株価を比較する指標をPER(PriceEarnings Ratio:株価収益率)といいます。計算式は以下のとおりです。

(出典:『カンタン図解で圧倒的によくわかる!【決定版】決算書を読む技術』)

つまり、PERは株価がEPS(1株当たり当期純利益)の何倍になっているかを表した指標です。先ほど説明したとおり、株価は通常、向こう15年分の利益見込みで形成されているため、PERが15倍を割ると割安というシグナルになります。

ただし、1倍というのはあくまで全業種平均であって、業界ごとに標準的なPERは異なります。成長性が高いインターネット業界のPERは高めです。それは、現在のEPSが小さくても、今後15年にわたり右肩上がりで増えていくことが予想できるため、株価もそれを織り込んで高めに釣り上がる傾向にあるからです。

PERという言葉も、株式投資では常識的に使われる用語ですので、ぜひ押さえておきましょう。

(出典:『カンタン図解で圧倒的によくわかる!【決定版】決算書を読む技術』)
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