「大根役者だった」西田尚美が名女優になった原点 映画やテレビの世界で活躍を続けられる秘密

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樋口 分かる気がします。西田さん演じる主人公は、簡単な感情移入を拒絶するような役柄だったので。なんだろうこの子は? って思いました。可愛い主人公なのに、あまりにもハチャメチャな行動をしているから、好きにはなれないんですよ。

西田 矢口さんがどうやったら笑ってくれるんだろうって考えているうちに、矢口さんの真似すればOK出るかも? って思って、途中からそういう風に変えました。

沖縄を舞台にした『ナビィの恋』(99年公開)について語る(写真:椙本裕子)

樋口 見抜いたんですね! それからジャンピングボードになったのは、29歳の時に出演された、沖縄を舞台にした『ナビィの恋』(99年公開)。西田さんの魅力が爆発していて、素晴らしかったです。

西田 ありがとうございます! 撮影では、沖縄の島にずっと閉じ込められて軟禁状態でした。観光もできなくて、休みは雨の日だけだったので、島から出たい〜!ってなってましたね(笑)。

樋口 そうなんですね(笑)。あの作品は、沖縄映画のパイオニアになったと思います。

熱演は恥ずかしいと思っているのかもしれない

樋口 先ほど西田さんはNGがないって言ってましたが、この膨大な仕事量をこなしながらも、的確、適切にご自身にふさわしい作品を選択されてきたんじゃないかなと思うんです。

西田 そうでしょうか。ただ、大きいバジェットのものでも、小さいバジェットで若い監督さんのものでも、スケジュールが空いていて、面白そうって思えば、やります。そういう数も含めると、300以上になるのかな?

樋口 そうなんですね。選択が正しくなかったら、次々にニューカマーが現れては消えていくこの世界で30年以上サバイブできないと思います。その術を、僕やLEON読者にぜひ、レクチャーして欲しいです。

西田 それは私が聞きたいくらい!(笑) どうしたら飽きられないで続けられるかってことを。続けることって大変じゃないですか。

樋口 西田さんは、モデルから女優への転身とか、難しいことをさらっとクリアされているように見えるんです。それに泣きわめくとか、エモーショナルな面を見せるといった、わかりやすい熱演をしないのは、西田さんの美学なんだろうなって思って。平熱を維持する奥深さというか。

西田 そういうのを自分は求められてないって思うからですかね。熱演って恥ずかしいって思っているのかもしれないです。出来れば空気みたいにいたいんですよね。

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