松本人志「バカライター」ツイートに納得できる訳 もはやテレビは世帯視聴率で論じる時代じゃない

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“1分以上”という極めて低いハードルで計上した「約2500万人が視聴」という数値に、はたしてどれだけの意義があるのか。この記事をしっかり見た一部の人々から疑問の声が挙がっていましたし、スポンサーとしても評価すべきか難しいところでしょう。

できれば松本さんには、この「約2500万人が見た」「1分以上到達人数」という数値に関してもツイートしてほしいところですし、もしかしたら20日放送の「ワイドナショー」(フジテレビ系)で言及してくれるかもしれません。

求められるジャンルに応じた評価指標

今回は、「世帯視聴率」「個人視聴率」「コア視聴率」というリアルタイムでテレビを見る視聴率ありきの話でしたが、その前提の危うさに多くの人々が気づいていました。

松本さんのツイートを記事化したコメント欄には、「好きな番組ほど録画する(から視聴率に意味がない)」、「TVerで見てる(から視聴率は関係ない)」などの書き込みが多数見られ、多数の「そう思う」ボタンが押されていたのです。

ドラマは最も録画視聴率が高いジャンルであり、リアルタイムの視聴率を超えることも少なくありません。さらにネット視聴も活発で、結果的に「何度も見る」という人もいて視聴回数が多くなります。

バラエティの中では、「キングオブコントの会」のような保存性の高いネタ特番は、ドラマと似た傾向があり、録画視聴やネット視聴が見込めるコンテンツ。一方で報道・情報番組は、その可能性が低く、現在でも視聴率が最大にしてほぼ唯一の基準であり続けています。

いまだにドラマ、バラエティ、報道・情報番組を同じ基準で報じるメディアが大半を占めていますが、ゆくゆくは番組のジャンルに応じた評価指標の記事に切り替わっていくでしょう。

芸能界の大物である松本さんのツイートによって、ネットメディアがどう変わっていくのか。民放各局のテレビマンだけでなく、出演者や世間の人々が、その違和感に気づいている以上、変わらざるをえないはずです。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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