医療費100万円請求?本当に怖い「130万円の壁」 健康保険組合から「高額請求」のナゾ

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ある日、高額の医療費の請求が届くかもしれません(写真:EKAKI /PIXTA)

都内の会社に勤めるMさん(31歳男性)。先日、Mさんが加入しているA健康保険組合から会社経由で届いた書類を見てみるとそこには、驚くべき内容が記載されていました。

「配偶者の収入が130万円以上あり、扶養の範囲を超えているため、昨年の1月から扶養を削除します。医療費100万円ほど期日までに支払ってください」

Mさんの妻は、扶養の範囲を超えないように、毎月収入をコントロールして働いていたつもりだったので、訳がわからず呆然となってしまったのでした。

健康保険の「扶養」の制度。よくわからないまま恩恵を受けている方も多いと思います。ただ、扶養の収入の範囲を超えて働いてしまっていると、後日とんでもない金額を請求されることがあります。

そこで、今回は、冒頭のMさんのように後でとんでもないことにならないように、きちんと押えておかなければならない健康保険の扶養のルールを解説します。

1:130万円に含まれる収入の範囲は?

健康保険の扶養になれるのは、原則として配偶者と3親等内の親族(血族、姻族)だけです。健康保険の扶養は、法律上家族とならない内縁関係の妻などもその対象となります。

つぎに、収入要件になりますが、原則として被扶養者(扶養される人)の年間収入が130万円(月収約10万8000円)未満で、被保険者の収入の2分の1未満であることが要件となっています。

ここでポイントになってくるのが、130万円に含まれる収入の範囲です。いちばん注意してほしいのは、「交通費が収入に含まれる」ということです。

交通費が収入に含まれることを知らずに、実際に働いた給与だけで130万円ギリギリに収めていたが、交通費を含めたら130万円を超えてしまっていたというケースが意外によくあります。冒頭のMさんの妻が、まさにこのケースで、交通費を含めると年収130万円の壁を超えてしまっていたのです。

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