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「一人っ子政策」でも中国の若者に兄弟が多い謎 中国人ですら把握できないほどの例外規定も

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  • 浦上 早苗 経済ジャーナリスト、法政大学MBA兼任教員(コミュニケーションマネジメント)
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多くの人が指摘する、子どもが増えないもう1つの理由は、「80後(1980年代生まれ)、90後の多くが一人っ子として育ち、きょうだいの良さを知らない」ことだ。

たしかに2015年に一人っ子政策が撤廃されたとき、即座に反応したのは一人っ子政策導入前に生まれた70後の女性だった。この世代の中国人は、一人っ子を「わがまま」「寂しい」と否定的に捉える傾向が強く、2016年、2017年に出生数が増えたのは、出産リミットが迫った70後が駆け込み的に出産したからだと考えられる。

きょうだいがいる80後、90後の考え方

では、きょうだいのいる80後、90後はどう考えているのか。内陸部出身の韓さんは「兄とその子どもを見てると、子どもを産むのが怖い」と話した。

兄夫婦は子どもの習い事の送り迎えに忙殺され、自分の時間をすべて放棄しているように見える。韓さんにとっては、きょうだいが反面教師になってしまったのだ。内モンゴル出身の包さんは交際相手がいるものの、「結婚のことは30歳になったらまた考える」と言う。

包さんは2年前に転職で北京に移り住んだ。給料は倍に増えたが、住宅コストが高すぎて会社から1時間以上かかるエリアに住むのがやっとだ。

「ITエンジニアの彼氏は、同世代では給料は高いほうだけど、それでも北京で家を買うのは難しい」

大学卒業後に地元に帰った同級生が昨年出産したが、グループチャットで「子どもの夜泣きで全然眠れない、こんなにつらいとは思わなかった」と友人たちに「出産の先延ばし」を推奨してくるという。

包さんは、「両親は、きょうだいが4人、5人いるのが当たり前で、大家族が幸せという価値観だから、罰金を払っても私を産んでくれた。私たちは違う。禁止されているから産めないのではなく、お金と夢を持てないから1人でさえ難しい」と話した。

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