シャンシャン「数十秒接見に殺到」上野動物園の今 1日2000人に入場制限、「シンシン妊娠」の兆候も
雨が降りしきる6月4日午前9時半、再開園直前の上野動物園には約180人が傘をさして入り口前に並んでいた。ほとんどの人のお目当ては、2017年に同園で生まれたメスのジャイアントパンダ、シャンシャンのようだ。
開園すると、観客は消毒と検温をして、前の人との間隔を保ちながら入場。まずは全員、シャンシャンが暮らすパンダ舎に入るルートになっている。通路を進むと、シャンシャンの姿が目に飛び込んできた。
シャンシャンの撮影は禁止
休園前の最終日(2020年12月25日)に見たときより、少し大きくなった気もするが、あどけなさは相変わらずだ。観客たちは「キャー!」と歓声をあげ、ガラスの向こうのシャンシャンに向かって腕を伸ばし、必死に手を振る。筆者も感激のあまり思わず声が漏れたが、コロナ禍ということに皆、ハッとして、すぐに口をつぐんだ。
シャンシャンはというと、ファンの熱い思いも「どこ吹く風」で、部屋の中をのんびり歩いていた。パンダは視力が悪いので、観客の姿がよく見えていない可能性もあるが、久々に大勢の人が来ても驚かないように準備したのだろうか。
上野動物園の冨田恭正副園長に尋ねると「通常、新しい施設で動物を公開するときは、職員がまとまって(動物を)見るなどして準備しますが、今回は特にしていません」とのことだ。ちなみにシャンシャンを2017年12月に初公開する前は、室内と観覧通路を隔てるシャッターを休園日に開けるなどして、観覧に慣れるための訓練をした。
6月4日以降、シャンシャンの撮影は禁止されている。撮影となると観客が立ち止まり、「密」になる恐れがあるためだ。シャンシャンの前では立ち止まれず、歩きながらの観覧なので、貴重な再会は数十秒で終わった。観客は、シャンシャンを一瞬たりとも見逃すまいと凝視。パンダ舎を出た後、目に焼き付けたシャンシャンの姿をスケッチしている女性もいた。
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