シャンシャン「数十秒接見に殺到」上野動物園の今 1日2000人に入場制限、「シンシン妊娠」の兆候も

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最初の観覧を終えた後は、「再観覧列」に並べば、何度でもシャンシャンを観覧できる。筆者はこの日、5回並び、5回ともシャンシャンが起きていた。これは意外だ。休園前は寝ていることが多かった時間帯も起きて、室内を歩き回ったり、寝台に上がって竹を食べ始めたり、床に散らばるタケノコの食べかすに鼻を近づけたりしていた。観客は「お客さんが来て、少し興奮しているのかな?」「ファンサービス」「さすがアイドル」と笑顔を見せた。

6月4日の1回当たりの待ち時間は20分ほど。休園前の2020年11~12月は1時間待ちが多く、2時間待ちも珍しくなかった。シャンシャンを撮影可能だったことや、シャンシャンの中国行きの期限が12月末に迫っていたことが理由だろう。コロナ禍のため、中国行きは2021年5月末に延長された後、同年12月末に再延長されている。

入場時の整理券は争奪戦

開園に当たり、上野動物園はさまざまなコロナ対策を施した。特に人気が高いシャンシャンとアジアゾウの親子の撮影を禁止したほか、食堂でのお酒の販売は休止。KDDIと協力しながら、5GとAIを使って、園内の混雑具合をホームページ上で閲覧できるサービスも始めた。

飼育担当の職員は、通常なら昼休みにまとまって管理事務所へ戻っていたが、現在は飼育の持ち場で昼食をとるようにして、万が一、感染しても広がらないように気をつけた。

お姉さんになるかもしれないシャンシャン(写真:公益財団法人東京動物園協会)

上野動物園の1日の入場者数は6月4日以降、最大2000人に制限されている。入場するには、事前に整理券を予約する必要がある。コロナの影響を受けていない2018年度の入場者は約500万人のため、休園日を除いた単純計算で1日当たり約1万5000人が入場していた。

現在は、最大の2000人としても、およそ7分の1だ。5カ月ぶりの開園という「飢餓感」もあり、整理券の予約では熾烈な争奪戦が展開されている。

6月4~11日の整理券の受付開始は、6月2日午前9時。筆者は整理券の申し込みページを開いて待機し、電波時計の秒数表示をにらみながら、9時ちょうどに「お申込はこちら」のボタンをクリックした。急ぎながらも間違いのないよう申し込み画面を進み、なんとか「6月4日・午前9時30分」の初回の入場整理券を獲得できた。

SNSでは「どの日時の整理券も取れなかった」という嘆きが多く見られた。「ネットがつながらず、日時選択の画面にたどり着くことすらできなかった」という人も少なくない。9時20分には、6月4~11日のすべての日時で「お申込可能なチケットはありません」と表示された。

6月5日以降は、毎週土曜日午前9時に「翌週の土曜日からその次の金曜日まで(休園日を除く)」の受け付けを開始している。

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