携帯料金、大幅値下げでもまだ高い人の落とし穴 そのデータ通信量やオプションは本当に必要?

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細かなサービスに差はあるものの、安さを重視するのであれば、やはりまだ単純に大手を選ぶよりも、格安スマホまで選択肢を増やしたほうが、通信費を節約できそうです。

しかし、スマートフォンの契約先として、格安スマホはきわめて少数派です。先述の調査によると、大手キャリア4社の利用者は64%を占めるのに対し、格安スマホの利用者は8%にすぎません。

携帯各社の料金体系、基本料金に含まれるサービスには細かな違いがあり、消費者からすると比較がとても難しいと感じます。他社と料金を比べてみたり、乗り換えを検討したりするのは面倒でもあります。一度契約したら漫然と継続していて、他のプランや他社に変えると節約できる可能性があることにすら気づかないままになっている人が少なくないのではないでしょうか。

半数以上の人は20GBもいらない

もうひとつ見落とせないのが、データ通信量です。今春の大手キャリアの値下げはおもにデータ通信量20GBのプランが対象でしたが、そもそもそれほどの通信量が必要な人は少ないのです。

総務省によると、実際に使用しているデータ通信量が月に20GB以上の人は11%。10~20GBの人を合わせても2割にすぎません。むしろ、2GBまでしか使っていない人が49.5%も占めています。

これに対して、スマホ契約者の43%は20GB以上のプランを選んでいます。2GBまでのプランに加入している人は17%しかいません。つまり、実際に使うデータ通信量以上のプランに契約している人がかなりいるわけです。

特に携帯電話会社や販売代理店の店頭で契約した場合、本来のニーズよりもオーバースペックなプランを勧められるケースがあるようです。今年、全国にある携帯電話のキャリアショップのスタッフを対象に行われた調査によると、4割超が、顧客のニーズ等を丁寧に確認せずに「上位の料金プランを勧誘したことがある」と回答したことが明らかになりました。

これを受けて総務省は5月下旬、大手キャリア3社と、携帯電話の販売代理店が加盟する業界団体に改善の要請を出す事態になりました。

なお大手キャリアの場合、データ通信量が月に2GBや5GBなど少量であっても、標準的なプランでは月額料金が3000円~5000円台になります。契約者向けの各種割引を使うなど、条件によってはこれより安くなるケースもありますが、データ通信の使用量が少ない人でも(オンライン申し込みに限定はされますが20GBまで使える)新プランに変更したほうが割安になるケースは多そうです。

また、格安スマホまで選択肢を増やしてみると、2GB、4GBなど細かな通信量設定に応じた料金プランがあるところや、3GB以下なら月額1000円程度で済むところもあります。

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