「上司の品格」を疑われる、やってはいけない質問 「上から目線」が透けて見える、残念な言葉遣い
例:「発表していいのか?」や「それでうまくいくのか?」
二択の質問は、相手の反応を「はい」「いいえ」のどちらかに限定する。尋ねるほうにとっては便利だが、答えるほうは困る。ある意味、「はい」という返事を引き出すことで、答えた側に成功の責任を負わせているとも言える。この手の質問はしょっちゅう耳にする。「それで大丈夫なのか?」も同じだ。
二択の質問はやめて、「何」や「どう」という言葉を使って質問しよう。これらの言葉を使うと、二択の答えを求めることは絶対にできない。たとえば、「どう大丈夫なのか?」。「何」を使うなら、「発表の準備が整うには何が必要だ?」という具合だ。
「何」や「どう」を使って質問するというシンプルなルールを用いると、質問の内容と答える側から提供される情報の質が大幅に向上することがわかっている。
自分がいい気分になるための質問
自分を肯定する質問は2択の形を取ることが多く、同意を無理にでも得たい、すでに下された決断が正しかったと実感したいという特殊な動機が潜んでいる。たとえば、「発売していいんだよね?」という具合だ。
本書で紹介したように、沈没した貨物船「エルファロ」の船長も、何度か船員にこうした質問を投げかけている。
❖「この2つのあいだになるということでいいな?」
❖「それでおかしくないな?」
❖「RPM[速度]に問題なければ、すべて大丈夫なんだな?」
自分を肯定する質問は、こうなってほしいという自分の思いが正しいと証明するものを求めている。その目的は、現状を明らかにすることではなく、自分がいい気分になることだ。
自分を肯定するのではなく、質問を通じて自分を高めることを目指すようにすれば、受け入れがたいと感じる情報を話題に持ち出しやすくなる。
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