強要型リーダーが致命的に判断を誤りがちな訳 キレて無理強いする人を時代遅れにした変化
これらの言葉を順に検証し、チームのメンバーから中断の声をあがりやすくするものかどうかを、5段階評価で採点してみよう。
曖昧すぎて何の意味も持たない。それに、安全な環境づくりの責任を、作業する人々に転嫁しているとも言える。現場の作業員が、基本的な安全対策をどうにかする権限を持つとは思えない。この言い方は、よく評価してもせいぜい、赤ワークから脱する難易度を上げるほどのものではない、というくらいでしかない。
これは中断を阻止する言葉だ。チームは赤ワーク=生産モードに追いやられ、自分たちの力を示そうとする「証明の思考心理」に陥る。このように言われたら、中断の呼びかけはいっそう難しくなる。
これは「確認」の意味による。進捗具合を確かめるという意味なら、作業員たちは監督によって審判を下されるように感じ、いっそう赤ワークに追いやられる。一方、作業員の満足度や、赤ワークから脱する必要性を確かめるという意味なら、作業員も中断を口にしやすくなる。
現場の声を引き出す5点満点の言い方
この警告は、作業を中止すべきほどに天候が悪化しても、中止を言い出しづらくさせるものだ。沈没した貨物船〈エルファロ〉の船長が、「ちょっとの天候の荒れ」でも迂回路をとるのかと船員をからかった言葉に相当する。
この言葉なら、懸念の共有をチームに促せる。中断が必要だという合図を現場が出すハードルを下げるだけでなく、合図を送る手段まで提示している。また、状況の変化に気づいたら知らせてほしいとしているので、実際に安全でない状況が生じるまで待つ必要もない。
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