大手の結婚相談所に入り直した百合さん。しかし、すでに38歳になっていて、同世代の「普通の男性」とすらお見合いができないことに気づく。ようやく会えた人は、当時話題になっていた百合さんの勤務先の不祥事についていきなり聞いてくるような無神経さだった。
「29歳のときに相談所に入ったときとは様子が変わっていると感じました。20代半ばの女性と比べると、私は明らかに晩婚さんだったんです」
40歳でその結婚相談所も退会した百合さん。しかし、結婚をあきらめたわけではない。友人と相席居酒屋などには行っていた。
そんな百合さんに身近なところから救いの手が差し伸べられた。同世代の女友だちが結婚することになり、新居のお披露目会に招かれたのだ。新郎新婦の友人がそれぞれ3人ずつ。いずれも独身というありがたい配慮があった。お祝いモードでの自然な合コンである。そこに来ていたのが正彦さんだった。
「見た目が可愛い人だな、という第一印象でした。ボンヤリしていて若く見えるんです。ほとんどしゃべらないけれど嫌な無口ではありません。人の話はちゃんと聞いていて、話の輪の中には入って来ていました」
わかりにくすぎるプロポーズ
しばらく時間をおいて正彦さんのほうからLINEのメッセージがあり、2人で飲みに行き、付き合うようになった。結婚までには1年以上かかっているが、急ぎたいとは思わなかったのだろうか。
「私はそわそわしていました。しびれを切らして『結婚したいんです』と彼に言ったら、彼の中ではすでにプロポーズしたけれど私に流されてしまったそうです。言われて思い出しました。V6の岡田くんが結婚するというニュースが流れたとき、『僕も結婚しようっと』と隣でつぶやいていたんです。それがプロポーズ(笑)。わかりにくいですよね。私はふーんと受け流してしまっていました」
結婚後はすぐに男の子を授かり、子煩悩な正彦さんとの3人暮らしを百合さんは満喫している。コロナ禍のテレワークで人と会いにくい状況もあり、一人暮らしを続けていたらおしゃべりで寂しがりの自分はすごく辛かったはずだと百合さんは明かす。
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