買収撤回から2カ月、新生ワイモバイル始動 買収やめたヤフーとの連携はどこまで進むか
ひとまずサービス開始にこぎつけたワイモバイルだが、ヤフーとの提携効果は正直見えにくい。格安スマホなどプレイヤーが増える中、「ヤフー色」をどう打ち出していくのか。発表会会場でキーマンである、ワイモバイルの執行役員の村上臣氏(ヤフーではモバイル戦略を統括する責任者)を直撃した。
――ワイモバイルのどのような点が初心者ユーザー向けなのか。
ヤフーのブランドは認知度が高く、安心というイメージもあるので、ホーム画面にヤフーのアイコンを置けばとりあえずブラウザで使ってもらえる。そこからさまざまな導線を仕込むことでアプリも利用してもらえるようにするが、まだまだ道は長いと感じる。
買収交渉は殴り合いのようだった
――旧イー・アクセス買収を中止し、提携の形にした理由は。
イー・アクセスはコンテンツサービスを提供しておらず、ブランド力もない中でスマホをやろうとしていたので、ヤフーと一緒にやればうまくいくと思い買収を提案した。ただ、実際に検討する中で難しい点もあった。ネットワーク、営業力、料金、端末が通信事業の中核だが、これをヤフーがすべてコントロールするのかという話だ。グループ内とはいえ、アドバイザーも入れて殴り合いのような真剣な交渉を重ねた。「(同じグループの)家族じゃないのか!」「それとこれとは別だ!」なんてやりとりもあった。その結果、業務提携のほうがいいという結論に達した。ソフトバンクの孫正義社長に撤回を申し入れた時には「お前らは“爆速”で取り下げるのか!」などと言われてしまったが。
――ヤフーのサービスと販売店をどう結びつけていくのか。
ヤフーはネットとリアルを連携させ、どのようにサービスをユーザーに届けていくかを考えている。買収を提案したのも(ウィルコムとイー・アクセスの)店舗が重要だったからだ。今後は名義変更などの手続きはオンラインでやればいい。店舗でしかできないことは体験だ。実機のタッチアンドトライもそうだが、ネットの楽しさや可能性を伝える場にしていきたい。8月にオープンする六本木の旗艦ショップでも実験的な取り組みをしていく。
――端末をどう差別化する?
端末の調達も担当しているので、月の半分くらいは海外に出張している。ソフトバンクモバイルが提供しないような端末で、面白い取り組みができると思っている。
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