話の印象が薄い人と爪痕を残せる人の決定的な差 凡庸な決まり文句は誰の心にもまったく残らない

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常套句を使うのに適した場面は限られます。たとえばお葬式で、身内を亡くした人にどんなに言葉を尽くしたとしても、ふさわしい言葉などないはずです。お悔やみの心情を正確に伝えようと言葉を捻り出したとしても、相手を傷つけることさえあります。

そんな時は「お悔やみ申し上げます」「ご愁傷さまです」「どうぞ安らかにお眠りください」「ご冥福をお祈りいたします」などの常套句に頼りましょう。悲しみのどん底にいる時に、むやみに“想い”を言葉にするのではなく決まり文句で挨拶をする。形式的なことを粛々とこなす。古くからの人間の知恵ですね。

このような限られた場以外で、読み手の頭に残らない常套句を使うのは望ましくありません。注意深く排除していかなければなりません。

言い換え可能な言葉のストックを増やそう

特に形容詞、形容動詞は吟味が必要です。「美味しい」「楽しい」「美しい」「カッコいい」「きれい」「しずか」、どれも普通すぎて目に留まりません。同じ「かわいい」でも、どう「かわいい」のか、ほかの言葉に言い換えられないかを必ず考えましょう。

文章の場合は「かわいい」と書かずに「かわいい」ことを描写します。「手のひらにちょこんと乗る大きさで、そっと握ると、もふもふしている。うぶ毛の生えた桃のような淡い色合いも、また気持ちが上がる」のような表現ですね。

字数制限のあるタイトルやキャッチコピーの場合は、このような描写はできないので、かわいさを表す言葉を探しましょう。文章だったらどう描写するかを考えてから「手のひらにちょこん」なのか「桃の気持ち」なのか、言葉を抜粋する方法もあります。

もちろん単純に「可憐」「甘美」「愛くるしい」など、ほかの言葉に言い換えることもできます。「かわいい」を「超かわゆす」「かわいらしい」「プチかわゆい」に加工するのはどうでしょう。

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