読まれる文章とスルーされる文章の決定的な差

書く前の準備で結果の9割は決まっている

誰のために何のために書くかをハッキリさせましょう(写真:Greyscale/PIXTA)
「仕事で何か文章を書いても反応が鈍い」という声をよく聞きます。「仕事で」ということは何らかの宣伝要素があるでしょうから、読み手からすれば、そんな下心のある文章は避けるのが普通で、よほど自分に役立つ内容でもなければ、なかなか読む気にはならないでしょう。
この場合、読まれるための工夫として記事のSEO対策、更新頻度や拡散手段、メジャーなプラットフォームへの転載、メディア内の回遊率を上げる仕掛けなど、サイト自体を強化することも大切ですが、それ以上に効果的なのは記事自体の魅力を高めることです。「仕事で書く文章」を「読まれる文章」にするために知っておきたいこと。『anan』元編集長、能勢邦子氏の著書『なぜか惹かれる言葉のつくりかた』の内容を一部抜粋、再編集してお届けします。

タイトルをパッと見ただけで伝わるか

あるウェルネス系webメディアの立て直しに参加した時のことです。どの記事も読んでみると悪くないのに、タイトルがわかりにくいなぁと思っていました。

・走るべきか、走らないべきか、それが問題だ
・そうだ、筋トレのメニューを変えてみよう!
・メンタルは鍛えるのではない、整えるのだ
・美味しい食べ物たちが体を作ってくれている

後日、担当者に会ってみると、30代の真面目な男性Nさんで、すべての記事タイトルを自分でつけているとのこと。「キャッチコピー50の技術」的な本に照らして、うんうん唸りながら頑張っていると自慢気に話してくれました。

最初のタイトルは「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ」というハムレットの台詞のパロディ。2つ目は「そうだ 京都、行こう。」というJR東海のキャッチコピーの真似。3つ目は「否定からの肯定(断言)で強める対比」の技術。4つ目は、食べ物の擬人化。
しかし技術を駆使はしているものの、肝心の内容は全然伝わってこないと思いませんか。

「強く短いコピーがいいんですよね」とNさんは言いますが、残念ながら、その道の権威に取材した記事なのか、有名人のインタビューなのか、理論なのか、はたまたエッセイなのかさえわかりません。

しかも、技術が生きていないのです。

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