話の印象が薄い人と爪痕を残せる人の決定的な差 凡庸な決まり文句は誰の心にもまったく残らない

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そんな記事でもすらすらと読めてしまいますが、読んだあとになにひとつ覚えていないなどいうことになりかねないのが、常套句の残念なところ。

インタビュー記事に頻出する常套句なら「凜としたたたずまいの〜」「〜のオーラを纏っている」「人気と実力を兼ね備えた」「才色兼備の」「マルチな活躍」「最近めきめきと頭角を現している」「〜はほかにいないだろう」「その視線の先には〜」「その横顔に〜を見た」などがあります。相手をよく書こうとすると常套句を使ってしまいがちですが、やはり印象には残りません。

webコンテンツのまとめ記事なら「〜する今日このごろ」「〜をご存じでしょうか」「〜と思うのは私だけでしょうか」「〜すること間違いなし」「感動のあまり言葉を失うに違いありません」「〜といっても過言ではありません」「あなたも〜してみてはいかがでしょうか」「いかがでしたか」「次回をお楽しみに」などの常套句をよく見かけます。

こう並べると「あるある」と他人事のように思いがちですが、たとえば次の◯に文字を入れてオノマトペを完成させてみてください。「◯◯◯◯肩を落とす」「英語が◯◯◯◯」「◯◯◯◯のパンケーキ」。多くの人が「がっくり肩を落とす」「英語がペラペラ」「ふわふわのパンケーキ」とすると思います。こうした決まり文句の組み合わせを無自覚にそのまま使う行為は、人を惹きつける惹句づくりの対極にあります。

政治家が好んで常套句を多用する理由

政治家が「お答えは差し控えさせていただきます」「仮定のお話にはお答えできません」「国民の健康を最優先に」「総合的、俯瞰的に判断します」「誤解を与えたのであれば謝罪します」などという常套句を繰り返すのは、“意味のあることを言って失言になってしまうのを避けるため”。常套句には、意味のないものとして、聞き流させる効果があるのです。

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