2020年の初春ごろから、それまでたまたま来ていたカンボジアからコロナ禍により帰れなくなった。結局、1年滞在した後の2021年2月末に中国に帰って来た時(この時の様子はここをクリック)、中国人の友人の多くはすでにワクチンを接種したという話であった。当然ながら、彼らは私にも接種を勧めてくる。しかし、私が出国した後にコロナが蔓延したカンボジアでは、現地の日本大使館がこのようなインフォメーションを出していたので躊躇していた。
<2021年4月10日現在、カンボジアに輸入された新型コロナウイルスワクチンはすべて、日本の保健当局が薬事承認したものではありません。現時点で、当館として積極的に接種をお勧めする趣旨ではありませんが、個人のご判断でカンボジア政府によるワクチン接種を希望される方は、副反応のリスクを含め、カンボジア政府当局の発表に十分注意し、行動してください。>
ちなみに、カンボジアでのワクチンは中国製である。中国は長年住み慣れた国ではあるけれども、やはり「外国」である。すべては「自己責任」であるのだから、打たなくていいなら打たないでいいと思っていた。ところが、状況が変わってしまったのである。
3月下旬から外国人も接種可能に
「もうすぐツアーが始まるんだからね、ワクチンを打ってきなさい!」
私が中国で参加している「布衣」というバンドの女性マネジャーが、ヒステリックに私にそう言ってくる。中国では現在、国内の移動に制限はないが、外国人が演奏するということについては、その土地、その土地で地元当局の許可が必要だ。それだけでもかなりめんどくさい作業なのに、さらに「外国人」ということでコロナ感染に対しても余計に不安になるのだろう。
実際、私は中国国内を列車で移動する際に、私が外国人だとわかった車掌が「ずっと中国に住んでる外国人か? それとも来たばっかりか?」としつこく聞いてきた。中国ではスマートフォンのアプリによって防疫関連の手続きが済んでいるかどうかわかり、かつ本人の行動が監視されている(アプリによる手続きの話はこちら)。だから、アプリを開いて安全であることを示せばそれで済む。とはいえ、ワクチンを2回接種していることを示せたら、何事ももっとスムーズに進むということなのだろう。
そこで、はたと思った。中国でワクチンは、外国人でも打つことができるのか。中国人は無料だと聞いてはいるが、外国人だといくらぐらい払わなければならないのだろうか。すると、2021年4月に中国政府からこんな発表があった。「中国の国家衛生健康委員会幹部らが4月21日に会見し、中国国内での新型コロナウイルスのワクチン接種が累計2億回を超え、北京では、3月下旬から外国人も対象になった」。
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