ヤマトの「サクセスストーリー」に残る1つの懸念 過去最高益を更新し自信を深める宅配の王者

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配送料の値上げで荷物量を落としたが、足元は急速に勢いづく。写真は2018年(撮影:大澤誠)

「構造改革が奏功したサクセスストーリー」――。自信を深めるヤマトホールディングスは、現状をそう言ってはばからない。

2021年3月期は売上高、営業利益ともに過去最高を更新。荷物数が急増する中でも人件費や外注費を抑制できたことから営業利益は前期から2倍になった。今期もEC(ネット通販)の需要拡大が続き、増収増益を見込む。

業績の牽引役である宅配便の荷物量の増加は、巣ごもり需要によるところが大きい。2021年3月期の荷物量は20.9億個(前期比16.5%増)だったが、2020年3月期までの3年間、ヤマトの宅配便の荷物量は減少。これは、2017年に引き受ける荷物量の制限(総量抑制)と配送料の値上げで、大口顧客をはじめとする荷主が離反したからだった。

2019年の秋頃からヤマトは荷物量を増やすため、ヤフーやメルカリといった大口顧客を囲い込みつつ、荷物集めに奔走してきた。そこに、コロナ禍によるECなどの巣ごもり需要が発生した。物流業界のある幹部は「まさに神風が吹いたおかげでヤマトは持ち直した」と話す。

だが、ヤマトはそうした見方を否定する。

東洋経済プラスの連載「EC物流狂騒曲」で、この記事の続きが無料でお読みいただけます。連載では以下の記事を配信しています。

ヤフーの出店者が驚いたヤマトの“格安配送”

ヤマトの「サクセスストーリー」に残る懸念

佃 陸生 東洋経済 記者

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つくだ りくお / Rikuo Tsukuda

不動産業界担当。オフィスビル、マンションなどの住宅、商業施設、物流施設などを取材。REIT、再開発、CRE、データセンターにも関心。慶応義塾大学大学院法学研究科(政治学専攻)修了。2019年東洋経済新報社入社。過去に物流業界などを担当。

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