近畿日本ツーリスト「債務超過回避」でも残る難題

ネット販売の強化に待ち受ける高いハードル

傘下の近畿日本ツーリストでは、個人向け旅行の店舗を中心に統廃合を急ぐ(記者撮影)

「今までの規模をはるかに上回る赤字で申し訳ない。遺憾だと考えている」――。米田昭正社長は終始、険しい表情を崩すことがなかった。

旅行会社大手の近畿日本ツーリストやクラブツーリズムを擁するKNT-CTホールディングス(KNT)。2021年3月期の売上高は前期比77%減の878億円、当期純利益は284億円の大幅な赤字(前期は74億円の赤字)決算となった。赤字幅は過去最大だ。

海外旅行の催行がほぼ不可能となり、取扱額はわずか22億円と98%減少。国内旅行も取扱額は70%減の790億円にとどまった。夏以降はGo To トラベルが貢献したものの、団体旅行、修学旅行なども自粛の影響で多くが延期や中止となった。また、グループ人員の2割に当たる1376人の希望退職関連費用なども計上している。

上場廃止のリスクは抑え込んだ

最悪の状況には手を打った。決算と同時に400億円の資金調達を発表している。主要取引銀行である三菱UFJ銀行と三井住友銀行が資金を貸し付ける合同会社2社、そして親会社である近鉄グループホールディングスに対し、議決権のない社債型優先株を割り当てる形だ。

KNTは2020年12月末時点で債務超過に転落しているが、今年6月末で解消される見通し。2期連続の債務超過による上場廃止のリスクは、大幅に後退した。

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