アップルが「7色のiMac」を発売する深すぎるワケ リモートワークにとって非常に重要な機能だ

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iMac 27インチ(Intelモデル、左)との比較。ディスプレーの額縁が小さくなり、小型化が際立っていることがわかる。正面からAppleロゴはなくなった。また付属するキーボードやマウスも、ボディカラーに揃えられている(筆者撮影)

M1は、バッテリー消費電力を飛躍的に向上させ、アップルのノート型コンピューターに大きな競争優位性をもたらした。それでいて4Kビデオ編集をはじめとする、負荷の高い作業も難なくこなすことができる性能も発揮し、大きな性能の飛躍をもたらすことになった。

そのM1チップを搭載するのが今回のiMacであると考えると、少し物足りないと感じる人もいるかもしれない。デスクトップのほうがノートパソコンより優れているものだという、これまでのコンピューターの常識があるからだ。筆者もM1搭載iMacが登場するまでは、iMac向けにはノート型より性能が高いチップが搭載されると思い込んでいた。

しかし実際にiMacを使って見ると、やはり非常に快適かつビデオ編集を含めた十分な動作スピードを実現している点に気づかされる。ファンは搭載されているものの、レビュー中にビデオ編集をしてもファンが動作することはない静かさを保ち、滞りなく作業が進められた。

ベンチマークアプリGeekbench 5で計測しても、CPUのマルチコアは7500前後を記録した。この数字は現在も販売が続いているインテルチップ搭載のiMac 27インチ(3.8GHz 8コア第10世代Core-i7、税込27万4800円)を上回ることを考えると、M1が力不足とは決して言えないのだ。

ディスプレー、カメラ、スピーカーが飛躍的に向上

拡大された画面と新しいスピーカーは、個人的に仕事道具のつもりで用意したiMacが、いつの間にか充実のエンタメ空間を作り出し、BGMとして再生していた音楽に集中して楽しんでしまう。仕事を忘れそうで危険だ。

今回の新型iMacは21.5インチモデルの置き換えとなる。24インチにディスプレーを拡大し、それまでフルHD(1920×1080ピクセル)もしくは4K(3840×2160ピクセル)だった解像度を、4.5K(4480×2520ピクセル)に引き上げた。広々とした明るく美しいディスプレーは、iMacの体験の中心となる。それでいて、ディスプレー部分の厚さを11.5mmにおさえ、巨大なペラペラの画面が宙に浮いているデザインに昇華させている。

驚かされるのがFaceTime HDカメラの画質の良さだ。それまでの1080p(フルHD)対応のカメラへと解像度が向上しただけでなく、M1の画像処理エンジンを利用するようになったことで、フレームレート(秒間のコマ数)が上がり、また特にホワイトバランスの補正が非常に素早く的確になった。ビデオ会議や動画撮影時、目に見えて美しいビデオを映し出すことができる。

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