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「週休3日制」の当面の経済効果を計測してみた 消費意欲の増加と所得減少の効果の綱引きに

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  • 末廣 徹 大和証券 チーフエコノミスト
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前述したように週休3日制の導入による可処分所得の減少は1カ月約5.1万円と試算できる。したがって、「週休3日制」の導入が進むと、家計は消費を減少させる可能性が高いという結論が導かれる。具体的には、一定の黒字額を維持するために、家計は約0.1万円(5.0万円-5.1万円)の消費支出を減らそうとすることが予想され、GDP(国内総生産)にとってはマイナスとなる。

短期的にはむしろ個人消費は減るリスクがある

このような観点からは、足元で議論が進展している「週休3日制」の導入については、短期的に重要な「個人消費」の観点からは、むしろ望ましくない政策になる可能性が高い。

なお、今回のコラムにおける仮定を用いると、週休3.12日とすれば、所得の減少は家計の黒字額の範囲内となったうえに、休日の消費を増やすことができる。つまり、現在の平均週休2.28日から0.83日増加させることが最適であると試算された。

もっとも、「経済財政諮問会議」でも議論されているように、週休3日制の導入の本来の狙いは労働者のスキルの向上、キャリアアップによって生産性が上がるかどうか、にある。日本経済の生産性が上がれば、家計の所得が増加し、消費に回すことのできる「余裕」も増えるだろう。今回の結論は、あくまでも短期的な効果においてネガティブな面が大きいというものである点は最後に述べておきたい。

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