中韓メーカーも参戦、格安スマホの脅威 SIMフリー端末とMVNOがタッグ
ファーウェイは8月以降も矢継ぎ早に商品を投入する。世界40カ国で販売するフラッグシップ機「Asend P7」(4万9800円)に加え、SIMフリータブレットを3機種発売。その後も初級、中級、上級モデルのスマホを追加投入する予定だ。「世界3位のボリュームを武器に、スペックの高いLTE端末も安く提供できる。G6で知名度を上げて、P7で勝負できるようにしたい。多くの種類の端末を出せばユーザーの選択肢は増え、競合他社も追随するだろう。市場を広げたい」(ファーウェイ・ジャパン新規市場開発部の石田克樹担当部長)。
同社はこれまで、イー・アクセスやドコモを通信事業者に、独自スマホを販売してきたが、決してヒットとは呼べない実績だった。販売店関係者に「そう言えばラインナップとしてあったと思う」と言われるほど、日本市場では知名度、ブランド力に劣るのが弱みだ。だが、今回は量販店と組み、「ノジマスマホ」「エディオンセレクト」など、販売店のブランドでも売り込み、弱点をカバーする。苦戦してきた携帯会社以外の販売チャネルで巻き返しを狙う方針だ。
同じく、海外メーカーの韓国のLGエレクトロニクスも9月、自社ブランドのSIMフリー端末「G2 mini」を日本で初めて投入する。欧州、アジア、中東で販売するグローバルモデルで、MVNO事業を展開する日本のビッグローブの格安スマホとして登場する予定だ。「販売動向を見つつ、今後の展開を検討していく」(LGエレクトロニクス・ジャパン)。
海外メーカーも乗り気に
どうやら、海外メーカーの参入はこれで終わりではなさそうだ。ビッグローブの海老原三樹コンシューマ部長は「LG以外にも多数のメーカーと商談しているし、提案も頂いている。ぜひ多くのメーカーと組んでいきたい」と明かす。ほかのMVNO幹部も「以前なら、メーカー担当者は『こんな端末なら提供してもいい』という(消極的な)態度だったが、最近は『どのような端末を求めているのか』と(逆に)聞かれるようになってきた」と語る。メーカーが積極的な姿勢に転換した背景には、MVNOの成長に加えて、ドコモなど携帯会社から販売される端末が売れにくくなっていることも影響しているようだ。
これまで、MVNOの通信サービスは知る人ぞ知る、先進的なサービスだった。しかし、13年4月にNTTコミュニケーションズが本格参入して以降、通信速度は携帯会社と互角の水準となり、料金プランの幅も広がってきた。最大の課題だった端末の選択肢が広がることで、ブレイクの兆しも見えつつある。MVNO関係者が指摘するように、「今後は本丸である携帯会社のユーザーを取り込む競争になる」可能性もあろう。市場シェアは1%程度とまだ微々たるものだが、大手携帯会社も“高みの見物“とはいかなさそうだ。
(撮影:今井康一)
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