子どもの「ネガティブ発言」否定してはいけない訳 どんな声かけが強い心を育むことにつながるか

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すぐに前を向くように励ますことより、まずは今感じている気持ちを受け止めて、言葉にしてあげることが立ち直る力を発揮するには近道となります。感じている心の痛みの存在を認め、そこに「共感の言葉」で命を吹き込むことは、心の苦しみを軽減することにつながるのです。

感じている気持ちを言葉で言いあらわすことを「気持ちのラベリング」といいます。カリフォルニア大学のマシュー・リーバーマン教授らの研究では「自分の感情を言葉にすることが、嫌な出来事に関するネガティブな感情やストレスをやわらげるのに効果的である」ということが報告されています。

怒りの感情を爆発させて暴れたり、泣きわめいたりといった問題行動は、この気持ちのラベリングがうまくいっていない可能性もあります。自分の感情を自分で言語化できるようになると、感情の抑制がうまくいくこともあります。

また、大人がさまざまな場面で感情をあらわす言葉を使うことは、子どもたちが自分の感情に気がつく力を育てることにもつながります。たとえば、「お母さん、探し物が見つからなくて、イライラしちゃうよ」「お父さん、大好きな野球チームが負けてくやしいなあ」というように、日常生活の中で感情をあらわす言葉を使っていきましょう。自分自身がどんなときにどんな感情になるのかを知ることは、自分を知ることにもつながります。

「よい/悪い」の表現には要注意

このとき注意したいのは、「気分がいいな」とか「最悪の気持ちだ」というような、よい悪いという表現を使うこと。「さまざまな感情を持つことはいいこと」と伝えるうえで、子どもたちに混乱を招く可能性があります。

子どもたちは「ネガティブ感情は悪いもの」「悪い感情を持つ自分はダメな子だ」と考えがちです。ふだんの会話の中でも、よい悪いを使用せずに感情について表現するようにしましょう。

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